日本の金型の未来を担う人材。それは今、危機的状況を迎えています。少子化が進み、就職する学生の数が減り続けている。当社のある大阪府でも特に公立工業高校で定員割れが相次ぎ、数年後にも数校が廃校します。もの作りに興味を持つ高卒…
トップインタビュー 立松モールド工業 立松 宏樹社長
全ては人材育成のため
冶具、成形、部品…
ポートフォリオ構築
今年6月に創業60周年を迎えた大型プラスチック金型を手掛ける立松モールド工業。60年を機に、事業部制を採用し、成形の強化、冶具や部品の販売など金型をコアに事業ポートフォリオを構築。金型を核とした企業グループに進化しようとしている。「全ては人材育成」と話す、立松宏樹社長にその狙いや今後の方向性などを聞いた。

1988年立松モールド工業北米子会社のMidwest Mold&Texture Corp入社、2003年立松モールド工業本社、09年執行役員購買部と海外事業担当、11年常務取締役、14年取締役副社長、16年代表取締役社長。
「年初に5つの事業部制を採用しました。一つは祖業の金型事業部。成形事業部はトライ中心でしたが、小ロットの成形のニーズも増えてきたので成形機の活用を再考しています。3つ目がモールドサービス事業。中小型の金型の外製管理などを行う事業を別会社でやっていたのを社内に取り込みました。4つめがHR事業でバルブゲートなどホットランナーの販売を手掛けています。そしてMF事業部を新設しました」。
ーMF事業とは。
「マシンフィクスチャーの略で、イタリアのFCS社の機械用段取冶具と周辺自動機器を販売します。効果は知っていましたが、使ってみると凄まじい。段取り時間が最大で75%低減できる。FCSが当社をモデル工場としても使いたいという意図もあって、総代理店として6月から販売していきます」。
ーなぜ事業部制を採用したのでしょう。
「結論から言えば全て人材育成のためです。事業領域を拡大していくためには、社員みんなが挑戦できる仕組みが必要です。その方法の一つが事業部制ということです。金型事業を分解すれば、成形や部品、冶具の販売などのビジネスチャンスが広がっている。しかし、金型だけでみていては、その広がりに気づかない。例えば、冶具を扱うことで機械加工全般に視野が広がる。成形することで、アクセスできなかったお客様との接点も増えるし、刺激も受ける。そうした広い視野を持てれば人も成長する」。
ー金型事業の強化は。
「金型をプロジェクトと見立てチーム制にしました。設計は設計で終わりではなくプロジェクトの責任を持たなくてはならない。おかげで社内コミュニケーションも増えました。多能工でなく一人で金型を作りきれる人材を育てたいですね」。
ーグローバルネットワークも強みです。
「世界最大の金型ネットワークではないかと自負しています。協業先のネットワークを含めると世界53か国でサポートできる体制です。国内でも加飾加工技術を広げるため、IBUKIと技術協業を始めました。今後も、サポートと技術コラボネットワークを拡げていきます」。
ー事業部制もネットワークも金型メーカーとしての立松モールド工業ではなく、立松グループといった感じがしますが目指す会社像は?
「社員みんなが自らの望むことにチャレンジして、楽しいと思える会社にしたい。そのためには、金型だけ見ていてはダメ。いわゆる金型技術だけを売りにしていてはそうはなれない。視野を広げ、色んなことを提案できる、将来はインテグラルのその先へ『なくてはならない会社』を目指します」。
金型新聞 平成30年(2018年)6月8日号
関連記事
コロナショックを機に、金型に求められること 5月12日、コロナウイルス拡大の影響が読めない中で、トヨタ自動車の豊田章男社長は「頼りにされ、必要とされる会社を目指し、世界中の仲間とともに強くなる」とのコメントを発表した。…
カメラによる機上測定機を開発した 放電加工した金型部品をチャッキングしたままカメラで捕らえ、タブレットに映し出す。原点や輪郭をズームアップ。十字線を合わせ、その位置を加工機の座標で捉える。加工部を複数ヶ所測ることで、ピッ…
ベテランの勘・コツに頼らない部品工場を目指し、生産現場への型温・湯温の見える化の要求は高まっている。 匠ソリューションズが開発した生産中の型温・湯温見える化システム「TWINDS‐T」は、①作業を邪魔しない温度データワイ…
会社の未来を考え新規事業に挑戦やってみなければ分からない 金型メーカーに生産計画はありません。受注産業で顧客次第ですから。「来月どうしようか」。これを毎月のように繰り返しています。当社も創業から46年間、同じように事業を…
