金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

04

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
山内エンジニアリング 山内 章 社長

常識を打ち崩す金型づくり

切削加工をプレス化

山内エンジニアリング 技術 円筒形状部品の内径に溝やネジ形状を汎用プレス機で加工できる金型に挑戦する企業が、神奈川県相模原市にある。山内エンジニアリングは昨夏、サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)に採択され、今まで切削していた加工をプレス加工に置き換える技術開発を進めている。

通常、上下に動くプレス加工では、左右の動作が必要な内径加工は不可能。しかし同社は、カム機構を利用した金型によってそれを実現する。ただ、山内章社長は「型構造が複雑になり、クリアランスの取り方など超えるべきハードルは多い」とまだまだ改善が必要だという。

元々は金型設計事務所からスタートした同社だが、社内で組立やトライなども手掛け始め、徐々に金型メーカーとしての色を強めていった。そうした中、「納期や精度の面から、加工も社内で手掛けた方が良い」と、今回のサポイン採択によって、マシニングセンタやワイヤ放電加工機などを設備。高精度、高付加価値な案件は設計から加工、組立、トライまで全て社内でできる体制を整える。

とくにモータケースやインジェクションノズルなど深絞り型を得意とする同社だが、今後の展開について、「金型にこだわらず、ここでしかできないものを手掛けていきたい」と話す山内社長。サポイン事業のほかにも、ロボットを活用したプレス装置やバリが出ない装置など、既存の技術を土台にした新しい取り組みに挑戦する。「今後も常識的なことをいかに崩していくかという切り口で取り組んでいく」。

金型づくりの全工程ができる人材

山内エンジニアリング 人 同社では、顧客との打ち合わせから型設計、加工、組立、トライ、納品まで1つの案件に対して1人の従業員に全てを任せている。「改善の余地がない金型は存在しない」という山内社長は、「納品したものでも、こうすればもっと良くなったかもしれないと常に考える。ただ、そう考えたり、それを次に活かすには、金型づくりのことを全て分かっていて、全工程に関わっていないとできない」。こうした考えから、全ての従業員が高い技術力を持てるような育成を行っている。

ただ、こうした全ての仕事を任せられるまで育てるには、「最低でも10年はかかる」という。そうした中で山内社長は、「教える側の根気も大切だが、学ぶ側の姿勢も大事だ」と話す。

1998年の創業時から務めている大西堅幸専務は、設計出身だったが、徐々に組立や加工などの技術を身に付けていった。「技術者として成長するには、どう志を持つかが重要。自分の場合は、金型づくりの全てに携わりたいと思っていた」と話す。金型づくりの魅力については、「プロセスや構想を考えて、それを実現できること」だという。

昨年4月には、技術者だけでなく、営業担当者を1人採用した。「新しいことに挑戦するためには、その種となるものをこちらから見つけにいかないといけない」。そのほかにも、学会に入会し、セミナーや展示会を通じて新しいネットワークを構築するほか、海外メーカーとの連携なども視野に入れる。今後も金型づくりの可能性を追求し、必要とされる企業を目指す。


会社メモ

山内 章 社長

山内 章 社長

代表者=山内 章 氏
創業=1998年
所在地=神奈川県相模原市中央区田名2327-2
資本金=500万円
TEL=042-713-1980
FAX=042-713-1981
従業員数=6人
事業内容=プレス金型設計・製作、プレス加工、コンサルティング。
企業理念=一、感動する「ものづくり」 一、感激する「ものづくり」 一、感謝される「ものづくり」
主な設備=マシニングセンタ(オークマ)1台、ワイヤ放電加工機(ソディック)1台、平面研削盤(黒田精工)1台、NC旋盤(滝澤鉄工所)1台、プレス機160t、150t、80t(アイダエンジニアリング)各1台、三次元測定機(TESA)1台、形状測定機(ミツトヨ)1台、表面粗さ測定機(ミツトヨ)1台、CAD/CAM(C&Gシステムズ)5台など。


金型新聞 平成29年(2017年)2月10日号

関連記事

ケイ・エス・エム 金型技術生かし、医療やロボに参入【金型の底力】

徹底して顧客の声を聞く 高温の射出成形用金型を得意とするケイ・エス・エムは医療機器分野への参入やロボット販売など事業の多角化を進めている。新事業の立ち上げで苦労する企業が多い中、成功しているのは「金型技術をコアにものづく…

冨士ダイス 2021年4‐12月期連結決算

半導体の需要拡大受け超硬金型が好調 冨士ダイスの2021年4‐12月期連結決算は、売上高が125億5400万円(前年同期比22.7%増)、当期純利益が8億1900万円(前年同期比244.9%増)と増収増益となった。 超硬…

ZOLLER Japan 新社屋にショールーム

ZOLLER Japan 新社屋にショールーム

工具測定器や管理 システム常設展示 測定機器メーカーZOLLER(独)の日本法人、ZOLLER Japanは7月1日、本社を新築、移転した(写真)。ショールームとセミナールームを新設し、提案力の強化を図る。 新社屋は敷地…

本社を新築
サカモト・ダイテム

業務改善と営業強化  サカモト・ダイテム(東京都目黒区、03-3711-6531)はこのほど、約3億6000万円を投資し、本社社屋を新築した(写真)。旧社屋は築55年と老朽化していたためで、耐震性向上や、職場環境改善につ…

この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

 冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客…

トピックス

関連サイト