金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

24

新聞購読のお申込み

中辻金型工業 切削工具を自社開発

培った技術活かす

自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えており、医療関連や半導体関連ではこれまで以上に部品の複雑化や微細化が進んでいる。多くの金型メーカーが、こうした変化をチャンスと捉え、自社の高い金型技術や加工技術などを生かし、新しい需要を上手く取り込もうと動き始めている。新規設備に投資したり、独自の商品や技術を開発したり、その取り組みは様々だ。政府も補助金などの支援制度を設け、金型メーカーの新分野の開拓を後押ししている。金型メーカーの新分野はどこにあるのか。“ニューフロンティア”を目指す各社の挑戦に迫る。

中辻金型工業 自社開発の切削工具

刃長は少し長めの3D

金型加工に特化

幅広い金型材に対応

プレス金型や量産、溶接・組立などを手掛ける中辻金型工業は自社開発のスクエアエンドミル『N‐CUT』(4枚刃)を販売。「金型屋がプロデュースしたエンドミルで、金型加工における課題を解決したい」とは中辻隆社長。金型加工をコンセプトにアイデアを織り込んだエンドミルで、加工に悩む金型メーカーの課題解決に挑む。

「現在開発されている切削工具はアルミやステンレスに対応したものが多く、金型材など鉄系に特化したものは稀だ」と中辻社長は指摘する。

そこで金型材として使用されるss材から焼入れ鋼まで幅広く対応するために、母材に超微粒子超硬ウルトラマイクログレイン0.4μを採用し、高靭性や高硬度を実現。特殊なコーティングを施し、耐熱は1000度、表面硬度は最大3800Hvと非常に硬く、耐熱性や耐摩耗性、高滑り性に優れ、焼入れ鋼の加工も切込み量を多く取れる形状で、加工時間短縮にも貢献する。

また、金型加工で使いやすいように刃長を少し長めの3Dに設定。「市販工具は2.5Dの場合が多く、刃長が足りないといったケースがある。金型メーカーの観点から使いやすい刃長にした」。

工具開発した背景にはオペレータによって工具選定や加工条件が異なり、加工時間や品質にバラツキが出る課題があった。昨今は新人や外国人採用も増えおり、安定した加工を行うには工具選定の重要性は高く、加工時間や品質のバラツキは金型製作のリードタイムにも影響を及ぼす。「同じ工具、同じ加工条件で標準化ずれば、誰が加工しても品質のバラツキは生じない」と工具選定と加工条件を統一にするために工具開発を進めた。

さらに、価格面でも購入しやすい低価格で販売。刃径1.0㎜で1650円から販売している。その理由は「高価な工具は破損した場合のデメリットを危惧する。価格をギリギリまで調整し、購入しやすさを重視した」。

今後はボールやラジアスエンドミルも視野に入れると中辻社長は話すが、「工具メーカーになるつもりはない」ときっぱり。次なる事業展開の一環として工具開発があるとし、新ビジネスの可能性に触れた。

会社概要

  • 本社 :大阪府東大阪市長田西4-1-16
  • 電話 :06-6746-0056
  • 代表者 :中辻隆社長
  • 従業員数:26人
  • 事業内容:プレス金型設計・製作、デジタルモールド設計・製作、プレス加工、メンテナンスなど。

金型新聞 2022年3月10日

関連記事

自動化で年4400万円のコスト減 月平均600時間稼働【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

東海エンジニアリングサービス カルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立 直径40㎜超を成形【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

解析を駆使、成形機も開発 東海エンジニアリングサービスは、直径40㎜超のカルコゲナイドガラスレンズの成形技術を確立した。CAEを駆使し、独自のノウハウを取り入れた成形機を開発して実現した。直径40㎜超は過去に例がなく、航…

工場長に求める条件とは?! 金型メーカー経営者にアンケート【特集:工場長の条件】

チームで業務遂行する力 金型づくりが高度化し、先が読みづらい時代。だからこそ、工場長の役割がより重要になり、また求められることも変化しているのではないか。そう考え、本紙では「経営者が今の工場長に求める条件は何か」を探るた…

松村精型 見積効率化や戻りない金型づくり【特集:デジタル活用術】

作業を細分化し、デジタル管理 低圧鋳造やダイカスト金型を手掛ける松村精型は、加工や設計などの作業単位を細分化し、コード化して管理している。作業ごとの分析や改善を徹底し、手戻りのない金型づくりを進めるほか、コードに製造コス…

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に 製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷…

トピックス

関連サイト