日本の技術力は世界一魅力のある金型を創り連携し海外に売り込もう 国内の需要が縮小し、海外との競争はますます厳しくなり、自動車の電動化が産業構造をも変えかねない状況の中、日本の金型に未来はあるのだろうか。このような悲観論…
JIMTOF2014 常識覆す新技術


工作機械や工具など生産財の進歩は金型づくりの進化を支えてきた。だからこそ、最新の機械や工具を使いこなすことが競争力の源泉になる。JIMTOFでは各メーカーが最高で最新の製品、加工技術を披露する。進化した工作機械や工具などはチェックしておきたいところだ。金型づくりを中心にJIMTOFのみどころをまとめた。
知能化技術の進歩
工作機械業界では、5軸や複合加工機などハード面が大幅に発展してきた。今回もそれらの機能アップした新製品が目白押しだ。ハードに加えて、チェックしたいのが知能化技術やCNC装置などソフト面の刷新だ。大幅に操作性を改善したCNC装置やタブレット端末のように直感で操作できるパネルなど新製品が多く発表される。「誰でも簡単に操作したい」というニーズに応えたCNC装置などソフトが目白押しだ。
5軸、複合など新型MC
もちろん、大型加工機から超精密加工機、3軸、5軸のマシニングセンタ、複合加工機などの新製品も要チェックだ。
放電は大型から超精密
金型づくりに不可欠な放電加工機。大型から超小型までのサイズはもちろん、世界市場向けのグローバル機種から超高精度なハイエンド機種まで、顧客の要求に対応した製品が紹介される。
研削は自動化
研削加工のテーマの一つは自動化だ。機上測定などを付加した仕上げ加工の完全自動化や、超硬部品の素材から最終仕上げまでを自動化ライン、ワンチャッキングで内外径を研削できる円筒研削盤などが紹介される予定だ。もちろん、超高精度、超高精密な高付加価値な加工の提案は盛りだくさんだ。
金属3Dプリンタに注目
3Dプリンタに代表されるAM(Additive Manufacturing=付加価値製造)技術。ブームは続く一方で、実加工にどのように活用すべきか模索している金型メーカーも多い。今回は積層技術の中でも金属を活用したものが多数出展される見込みで、そのトレンドはチェックしたいところ。
従来の敷き詰めた金属粉末にレーザーを照射し、固め、積層し、切削で仕上げ加工を行う3D+切削タイプのものも、高性能化した製品が出揃いそう。一方で、噴射する金属粉末をレーザーで固め積層し、切削する新たなタイプの金属3Dプリンタも展示される。
5軸対応のソフト充実
工作機械同様、多軸化がテーマの一つなのが、CAD/CAMなどのソフトだ。5軸や複合など工作機械の多軸化が進化する中で、5軸や複合加工に対応したCAMが多数出そろうほか、3次元レーザー多軸加工用のソフトなども出品される。また、荒加工に特化したモジュールなどの専用アプリケーションも展示される。このほか、3Dスキャナーを使ったリバースエンジニアリングなど、様々な最新のデジタル技術を駆使した製品に注目したい。
切削は難削、微細、高機能
切削工具はまさに百花繚乱の様相を呈している。早く削りたい、長く使いたい、難削材を削りたい、小さいものを加工したいなど、どんなニーズにも応えてくれる。
そんななかでも注目したいひとつは難削材対応工具だ。日本のものづくりが高付加価値化するなかで、難削材は今後ますます重要になるからだ。金型づくりでも超硬材をはじめとする高硬度な材料が増えている。これらを上手く削れる切削工具が出そろう。また、技術やサービスの相談窓口を設ける出展者などもいるので、日頃困っているワークを持ち込んで相談にでかけるのもアリだ。
自動化、効率化の要、治工具
最先端の工作機械、切削工具を効率的に使いこなす要となるのが、ツーリングやチャック、バイスなど治工具だ。今回のJIMTOFでは様々な加工技術の提案がお目見えする。
近年、一気に増えてきた5軸加工に特化したバイスやクランプシステムが多く出品される。また、円テーブルや傾斜円テーブルを活かした生産性の向上など加工効率改善の提案に注目したい。また、小型、高精度、高把握力のツーリングや、特殊仕様のチャックなど、治工具から見た加工効率の改善を体感したい。
非接触、機上、インライン計測
製品の高品質化が進むなかで、金型づくりでの測定機器や技術の重要性は増している。JIMTOFでも測定の最新技術はおさえておきたい。
白色の新たな光源を採用した非接触の測定機や、X線CTスキャン技術を使い製品を切断せずに内部を測定できる三次元測定機、5軸仕様の三次元測定機など新技術を使った製品も多数。また、インライン計測や機上測定機、表面粗さ測定機などの新製品のほか、ノギスやマイクロメータ、トルク管理機器などの生産ラインで不可欠な測定工具の新製品も出品される。
金型新聞 平成26年(2014年)10月20日号
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