金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

01

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
名神精工 入野 晃一 社長

面白い金型(もの)を考えられる企業に

商品化まで可能な金型企業を目指す

名神精工 技術 「これからは自分たちで考えて金型を作っていかないと海外との競争には勝てない」と警鐘を鳴らす入野晃一社長は5年前にアイフォーンケースの自社商品化を目指し、翌年開発を成功させた。

同社は重量10tクラスの金型を製造し、主に自動車用のインパネ関連部品や内外装部品を手掛けていたが、自動車関連の受注が低下し、次世代を見据えた金型技術の開発に迫られた。「アイフォーンケースは時代のキーワードで、数年前まで中国製が高い値段で売られていた」と開発の経緯を説明し、ケース作成に着手。開発に必要な金型技術、成形技術を磨くなど技術向上に励み、「他社との差別化が必要だった。商品のデザイン性や筐体の割れにくさ、傷のつきにくい金型に取り組んだ」と金型加工では磨きを入れた1~2μの鏡面性に加え、厚肉成形技術を習得。ケースの枠の太さが部分的に異なるデザインに対し成形不良をなくすクール&ヒート成形を用い、成形時に起こりやすいウェルドレス化を実現させた。「製品の厚みが増すとヒケが起こりやすい」といった難題もクリア。ケース裏のデザインは漆職人とコラボレーションした日本風で白鳥が飛ぶ装飾のアイフォーンケースが誕生した。「商品化によりベンチャー企業からも技術的相談を持ちかけられる。直接声が聞けると金型の価値を高められる」。次なる開発を案件に取り組みながら、新たな金型技術の開発を目指す。

金型を変えていく創造性

名神精工 人 「自分たちで考えて、金型を変えていかなければ海外との競争では勝てない」。入野社長が思い描く企業像は『面白い金型が作れる会社』で、考えて工夫し、これまで作ったことがなかった商品開発と、その商品を生み出す金型技術の向上との面でシナジー効果を生み出し、「自分たちが作っている物に対し、面白さややりがい。誇りを見つけてほしい」という。アイフォーンケースの商品開発もその一環で、若い社員も増えた今、平均年齢が30代に。若い社員が仕事でやりがいを感じるには常に新しいことに挑戦していかなければならない。「金型に対する要望として、短納期化、高品質は当たり前で珍しくないし、面白くない。そこと差別化しなくてはならない」。

そこで組織体制を変え、IT事業を立ち上げた。生産現場とは異なり、将来的な商品開発などの案件を探し、5~10年先の将来を見据えた活動を行う。「現場は現実、開発は夢だと思う。トヨタ自動車もシリコンバレーでAI(人工知能)に投資をしている」と、二つの部門を切り離して考え、独自の役割に集中する体制を構築した。

「グループ化、企業間ネットワークという考えはとても重要だ。現代はデザイナー主体の商品化が進んでいる。金型屋が自社商品を作るにしても外部のデザイナーと組んだりするなど、すべて自社で完結する必要はなく、柔軟性が求められる」と語る。すでに、いくつかの開発案件が進んでいるという同社だが、次はどんな商品を企画し、新たな金型を生み出していくのか注目だ。


会社メモ

代表者=入野 晃一社長
創立=1979年
本社住所=愛知県一宮市西萩原字若宮前98-1
海外拠点=中国(上海)
電話=0586・69・7571
FAX=0586・69・1304
URLhttp://www.meishin-s.co.jp/
事業内容=プラスチック金型設計製造、小ロット成形、商品開発・販売、金型情報管理システムなど
従業員数=50人
主な設備=同時4軸横型マシニングセンタ(牧野フライス製作所A61)、立形マシニングセンタ(V-77)、そのほか立形マシニングセンタ(牧野フライス製作所、ファナックなど)、グラファイト電極加工機(牧野フライス製作所)、ワイヤーカット・放電加工機(ソディック)、CAD/CAM(倉敷機械、C&Gシステムズ、日本ユニシス、ダッソー・システムズなど)、射出成型機(名機製作所など)。


金型新聞 平成28年(2016年)7月4日号

関連記事

【ひと】BESTOWS 代表取締役・西田 勇さん 現場を知るソフトウェア研究者

大学発ベンチャーとしてBESTOWSを設立した、神戸大学工学部助教。製造AIの研究開発や産業機械・専用機などの設計・製作を手がけるアルムのCTOも務めており、AIが加工プログラムを自動で作成する「アルムコード1」の開発に…

4月の金型生産実績

4月の金型生産実績

前年同月比 4.7%減の295億1,100万円 ゴム型は27.5%増、プレス型は20.4%減   日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員30人以上)による2017年4月の金型生産実績をまとめた。そ…

ソディック 未消耗の面で加工、高品位に

ワイヤ回転機構を搭載  ソディックは、世界で初めてワイヤ回転機構を搭載したワイヤ放電加工機「ALアイグルーブエディション」を開発した。  ワイヤを回転させながら加工することで、高精度で高品位な面が得られる。段差加工を簡単…

注目24社の出展製品【インターモールド名古屋】

3年ぶりの名古屋開催となるインターモールド。今回は300社近くのメーカーが出展し、自社技術を披露する。微細や大型対応の工作機械、自動化に貢献する治具、効率的な設計を可能にするソフト、高精度、高効率加工に対応する工具など、…

金型現場の課題を解決する最新技術 インターモールド2022

金型製造現場は現在、様々な課題を抱えている。それは、人手不足やグローバル競争の激化、自動車の電動化などといった各分野にまたがる。「インターモールド2022」では、これらの課題を解決する機械や工具を始めとした金型製造技術の…

トピックス

関連サイト