金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

10

新聞購読のお申込み

【鍛造金型特集】
日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く
熱間鍛造の動向

 鍛造は大きく熱間と冷間に分かれるが、重量ベースでは圧倒的に熱間が多い。成形品が比較的大きいことも理由の一つだ。一方で、金型はコストや納期の問題から圧倒的に内製率が高いという。自らも熱間鍛造部品を手掛ける、日本鍛造協会の八木議廣会長(八木工業社長)に熱間部品や熱間鍛造型の動向などを聞いた。

八木会長

八木会長

ー熱間部品では金型の調達はどうなっているのか。
 「当社は4割が内製で6割が外注だが、業界全体では9割が内製ではないか。基本内製という考えが主流だ」。

ーその理由は。
 「熱間鍛造は素材をつぶす、成形、バリを取るなど複数の工程に分かれるが、成形工程の金型は、1回でダメになることもあり、納期面で外注では間に合わない。また、成形条件の設定が複雑で、金型にノウハウが詰め込まれており、競争力の面からも外には出せない。消耗品として金型を費用計上できるなど、コストメリットもある」。

ー日本の鍛造部品メーカーの競争力はどうか。
 「納期やコスト、精度いずれでも競争力はあると思う。海外では自動車メーカーが鍛造を内製していないので、鍛造部品メーカーの力も強い。このため、価格は高い傾向にあり、特にコスト競争力は高い。そうした海外の需要を取り込むことが課題だ」。

ーそのほか課題は。
 「熱や潤滑などのパラメータが多く、1200℃に熱した材料でも、成形条件は打つたびに代わる。そうした状況を安定させ、再現性を高めることも課題だろう。材料や電気代が高くなっているなか、安くつくることも重要になっている。二つの部品を一つにするなど一体成形したいという声は増えているほか、最近では一貫加工の要望も増えている」。

ー一貫加工とは。
 「成形だけでなく、穴あけ、熱処理なども後工程も行うことだ。ユーザーも発注しやすく、管理しやすいからだ」。

ー市場の見通しは。
 「熱間鍛造では約75%が自動車関連で、なかでも、足回り、クランクシャフトやコンロッドなどエンジン関連、トランスミッションなどの部品が多い。足元では、海外の自動車メーカーが日本国内の部品メーカーへの発注量が増えていて、忙しい。17年は05年以来の240万tを超えた。この水準は18年も続く」。

ーエンジンやミッションとなるとEV化への対応も必要ですね。
 「長期的には部品点数の減少により、厳しくなり統廃合は必要になるかもしれない。とはいえ、そこは個々の企業で対応していくしかない」。

【関連記事:【鍛造金型特集】鍛造型、好調を持続 その背景や今後は

金型新聞 平成30年(2018年)3月10日号

関連記事

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に 製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷…

オープン・マインド・テクノロジーズ・ジャパン 切削パスを積層用に自動変換【特集:金型づくりのAM活用最前線】

hyperMILL AM 金型の肉盛溶接や異種材料の結合(バイメタル)などで活用され始めているDED(ダイレクト・エナジー・でポジション)方式のAM装置。同方式で課題の一つとなるのが積層用のパスの作成。切削とは異なる動き…

金型メーカー座談会
経営者5人が語る、どうなる2015年 最終回

金型産業 発展へ 日本金型工業会 5つの施策   出席者   エムエス製作所社長 迫田 幸博氏 小出製作所社長 小出 悟氏 長津製作所会長 牧野 俊清氏 日進精機相談役 加藤 忠郎氏 野田金型社長 堀口 展男氏 2月号で…

ハイテン加工のカギはCAE【特集:プレス加工最前線】

スプリングバック、材料特性のばらつきに対応 ハイテン材加工に不可欠とされるCAE解析。すでに多くの金型メーカーが活用し、生産性や品質の向上につなげている。近年は自動車部材のハイテン化が進み、これまで以上に強度の高い超ハイ…

金型メーカー座談会
経営者5人が語る、どうなる2015年

活路を創造、混沌に挑む  日本の金型業界にも少しずつ明るさが戻ってきた。とはいえ、受注水準はいまだリーマンショック前の8割程度だ。そんななか、日本金型工業会は「新金型産業ビジョン」を策定した。そこでは、金型業界の向かうべ…

トピックス

関連サイト