金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

30

新聞購読のお申込み

造形の歪み1/10に
ソディック

金属3Dプリンタ新工法

 ソディックはこのほど、金属3Dプリンタの造形後のワークの歪みを10分の1に抑える新技術「SRT工法」を開発した。これにより、樹脂型などで多く使われるステンレス系の素材での造形も可能になるなど、金属3Dプリンタの適用範囲の拡大につながるという。

 金属3Dプリンタでは粉末金属をレーザーで溶融・凝固させるために、必ず残留応力が発生する。その応力が造形後のワークを収縮させ、歪みや反りの原因となり、金型への採用の障壁の一つとなっていた。

 今回開発したSRT工法は、焼入れなどの熱処理をすると、ワークが膨張するというマルテンサイト変態という理論を活用。造形後に収縮したワークに独自の「熱処理」を施すことで、収縮と膨張を相殺させ、歪みを抑える。

 この技術により、樹脂型で使われるSUS420J2の大型金型の造形も可能になる。SRT工法を使った試験によると、歪み量を300μmから、30μmと10分の1に抑制できたほか、幅と長さ248㎜、高さ42㎜の造形もできたという。

 ソディックは「OPM250L・350L」と「LPM325」の3機種の金属3Dプリンタを持つ。SRT工法は全ての機種に活用できるほか、既存機種に追加で採用することもできる。同社では「SRT工法を実践することで、プラスチック金型での金属3Dプリンタの活用を広げたい」としている。

金型しんぶん 2019年5月14日

関連記事

【金型応援隊】GENIO SOLUTIONS 人材の育成をサポート

「扱い切る」ことが重要 「CAD/CAMを取り扱うのは、あくまで人。だから、CAD/CAMを扱い切れる人材から育てる必要がある」と語るのは、GENIO Solutionsの渡邉康二社長。同社は、海外メーカーのCAD/CA…

松井製作所 金型温調器を発売

大型や多数個取りにも対応 プラスチック成形用設備・システムの製造販売を手掛ける松井製作所(大阪市中央区、06・6942・9555)はこのほど、金型温度調節器「MC6シリーズ」を新発売した。同製品は、大型金型や多数個取りの…

【鳥瞰蟻瞰】スワニー 社長・橋爪良博氏 一気通貫の体制で生産性向上

分業せずに生産性向上一人で開発から製造まで育成には失敗できる環境が大事 大企業に限らず日本の製造業の多くが分業でものづくりを行っています。複数の人員が役割を分担して行う分業という仕組みは、効率良く生産するための有効な手段…

MF‐TOKYO2021Online 11月29日~12月3日に開催

次代の鍛圧塑性加工技術 プレス機械や板金機械などが一堂に会する鍛圧塑性加工技術の専門見本市「MF‐TOKYO2021 プレス・板金・フォーミング展 Online」が11月29日㈪10時から12月3日㈮18時まで、オンライ…

七宝金型工業 焼き嵌め工具の自動交換装置を開発

人的ミス、作業時間を削減 ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は工作機械や研削機の設計製造を手掛けるサンテック(滋賀県草津市)と共同で、焼き嵌めホルダと切削工具の着脱を自動化する…

トピックス

関連サイト