金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

10

新聞購読のお申込み

「金型台帳」を データベース化
打田製作所

 「金型メーカーが情報管理をするのは、自社の知的財産を守るためと顧客情報を守るための2つの意味で重要だ」と話すのは、飲料や化粧品などのプラスチック金型を手掛ける打田製作所の打田尚道社長。同社は15年ほど前に社内で情報システムを独自開発。自社で持つ顧客や技術などの情報を管理、保護するためにIT化を進めてきた。

顧客情報守り、自社の強み確認

同社がまず取り組んだのは、「金型台帳」と呼ばれる金型の受注情報のデータベース(DB)化だ。それまでこうした情報は紙で管理していたため、過去の履歴を調べるのに手間が掛かったり、分からないことも多くあったという。DB化によって、格段に検索しやすくなり、業務効率が飛躍的に向上。「間接人員は3分の1ほどに減らすことができた」(打田社長)。

 さらに、このDBを基軸に、指示書や部品発注、図面、工程管理などあらゆる情報を紐づけ。オープンソースを活用し、金型づくりに必要なあらゆる情報を全て社内で共有できるウエブシステムを構築した。「社内の業務効率が向上しただけでなく、見積精度の向上や問い合わせへのレスポンスが良くなるなど、顧客へのサービス向上にも効果があった」(打田社長)。

 ウエブシステムでは、日々の引き合いや受注、生産状況がリアルタイムで表示される。また、完成予定や製造コストの内訳、工程進捗のほか、勤怠管理なども行うことができ、「このシステムを見れば、会社の状況が一目で分かる」(打田社長)。セキュリティも万全で、役職によってアクセス制限をかけるなど情報漏えい対策をとっている。

 また、こうしたデータは、営業や製造の担当者がその都度入力している。運用面で最も苦労したのが、この従業員一人ひとりに入力させる習慣を付けさせることだったという。「とにかく地道に忍耐強く定着するまで従業員に必要性を訴え続けた」(打田社長)。その結果、現在では全従業員が「このシステム無しでは仕事ができない」と言うほど、同社の業務に無くてはならないものへと発展した。

 「まずどんな情報が重要か。自社の持つ強みを棚卸しする良いきっかけになった」(打田社長)。情報管理を徹底することは、顧客へのサービスや信頼性を向上させるだけでなく、自社の競争力の源泉を再認識するためにも不可欠な取り組みと言える。

 同社では現状、あらゆる情報を入力し、管理している。ただ、「今後は必要な情報とそうでない情報を見直す必要がある」(打田社長)。より従業員が活用しやすい形へと改良していく考えだ。「情報管理は決して『道具論』ではない。重要な情報が何かを見直し、どう管理するかを考えてから、道具の選定に入ることが上手く運用していく上では重要だろう」(打田社長)。

金型しんぶん 2019年6月7日

関連記事

植田機械 植田 修平社長に聞く<br>UMモールドフェアの見どころ

植田機械 植田 修平社長に聞く
UMモールドフェアの見どころ

ものづくりのお役に立ちたい 未来を拓く新技術  来場者の技術革新に貢献  JIMTOFで展示された工作機械や機器、ソフトなど金型や部品加工における最新技術を一堂に集めて披露するUMモールドフェア。今回は新型の5軸加工機や…

加工液から手荒れ守る
トリオ商事

保護クリームを販売  トリオ商事(愛知県瀬戸市、0561-83-6711)は皮膚に塗布することで角質層に目に見えない強力な保護膜(バリア)を作り、研削液や切削液による手肌の荒れを守る皮膚保護用クリーム「ハイテモール」を販…

自動で5軸の干渉回避
C&Gシステムズ

キャムツールの新版  C&Gシステムズは4月、効率的な干渉回避を自動で算出するなど、同時5軸加工に対応する機能を盛り込んだ「CAM‐TOOL(キャムツール)」の新版「V15・1」を発売した。  今回追加した「同…

「新規事業に挑戦、やってみなければ分からない」藤井精工社長・藤井福吉氏

会社の未来を考え新規事業に挑戦やってみなければ分からない 金型メーカーに生産計画はありません。受注産業で顧客次第ですから。「来月どうしようか」。これを毎月のように繰り返しています。当社も創業から46年間、同じように事業を…

【インタビュー】ミスミグループ本社 常務執行役員 ID企業体社長・吉田 光伸氏「ものづくりのDXを加速」

ミスミグループ本社(東京都文京区、03- 5805-7050)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビィー)」の新機能をトヨタ自動車と共同で開発した。3DCAD上で設定した部品の穴情報を「meviy」…

トピックス

関連サイト