金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

29

新聞購読のお申込み

キヤノンモールド 技能育伝推進課長 植武 春彦さん(56) 〜ひと〜

育成のプロ、名匠塾の塾長

 社内の技術者に研削や切削など加工の基礎を教える「名匠塾」の塾長。塾生は10年間で全社員の3分の1に当たる168人。同社のものづくりを支える育成のプロだ。

 入社時は「おシャカ製造機」と言われるほどの劣等生。結婚、肉親の不幸、そして親友の逆境を乗り越える生き様に心を打たれ「このままではダメ。同じ人間なんだから努力すれば負けない」と奮起した。気づくと「先輩が出せないサブミクロンの精度が出せるようになっていた」。次第に「植武に任せれば何とかなる」と難題ばかり持ち込まれることに。

 ある時挑んだ精度±0・5μmという精密部品の難加工。他社ではできなかったワークで「五感を全集中で研ぎ澄ます。諦めず、考え抜き、やり抜いた時の達成感は何事にも代えがたい」。ものづくりの醍醐味をそう話す。

 2006年には、キヤノングループ全体で30人ほどしかいない「名匠」の一人に選ばれた。その時、さらなる高みを目指すべく「次は現代の名工になる」と宣言。実際に、数々の実績が認められ名工になり、その2年後には黄綬褒章も受賞した。

 自身の経験から「諦めず、考え抜き、努力すること」、「夢を宣言すること」を若手には言い続ける。今の夢は「世界一の金型を作り上げるという熱意を持った社員を育てること」。有言実行の名工の挑戦に終わりはない。

金型新聞 2020年12月10日

関連記事

牧野フライス製作所 執行役員 高山幸久営業本部長に聞く【特集:進む設備の大型化】

大型機組立工場新設の理由 牧野フライス製作所は昨年末、山梨県富士吉田市に大型加工機の組み立て工場を新設すると発表した。12年ぶりの新工場で、総額210億円を投資し、大型加工向けを強化する。2026年初めに本格稼働する予定…

山内由華さん 金型技術展2022を企画、開催した【ひと】

大阪産業創造館で8月に開催した「金型技術展2022」を企画、運営した。大阪産業創造館が金型をテーマとする展示会を開くのは初めて。金型メーカーや関連企業44社が出展し、コロナ禍ながら会期1日で688人が訪れた。 金型をテー…

新栄ホールディングス 金型の新会社を設立

プレス加工メーカー3社を傘下に持つ新栄ホールディングス(東京都中央区、03・5843・6096)は昨年8月、傘下のアポロ工業(埼玉県吉川市)の金型部門を切り離し、アポロ技研(同)を設立した。金型の設計、製作に加え、メンテ…

この人に聞く 2014 C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

この人に聞く 2014 C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

金型は成長産業 「金型は世界的には成長産業」―。そう話すのはCAD/CAMメーカー、C&Gシステムズの塩田聖一社長。コンピューターエンジニアリング(CE)とグラフィックプロダクツ(GP)の合併から4年半、年平均の成長率1…

「魅力ある組織に人は集まる 楽しく役立つ活動増やす」 東北金型工業会会長(プラモール精工社長)・脇田高志氏【鳥瞰蟻瞰】

魅力ある組織でなければ人は集まってきません。東北金型工業会をより魅力ある団体にするために、会長就任後すぐに、3つの分科会を作りました。若手が中心となって積極的に参加してもらい、勉強会などを通じ、メリットや魅力を感じてもら…

トピックス

関連サイト