金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

29

新聞購読のお申込み

キヤノンモールド 技能育伝推進課長 植武 春彦さん(56) 〜ひと〜

育成のプロ、名匠塾の塾長

 社内の技術者に研削や切削など加工の基礎を教える「名匠塾」の塾長。塾生は10年間で全社員の3分の1に当たる168人。同社のものづくりを支える育成のプロだ。

 入社時は「おシャカ製造機」と言われるほどの劣等生。結婚、肉親の不幸、そして親友の逆境を乗り越える生き様に心を打たれ「このままではダメ。同じ人間なんだから努力すれば負けない」と奮起した。気づくと「先輩が出せないサブミクロンの精度が出せるようになっていた」。次第に「植武に任せれば何とかなる」と難題ばかり持ち込まれることに。

 ある時挑んだ精度±0・5μmという精密部品の難加工。他社ではできなかったワークで「五感を全集中で研ぎ澄ます。諦めず、考え抜き、やり抜いた時の達成感は何事にも代えがたい」。ものづくりの醍醐味をそう話す。

 2006年には、キヤノングループ全体で30人ほどしかいない「名匠」の一人に選ばれた。その時、さらなる高みを目指すべく「次は現代の名工になる」と宣言。実際に、数々の実績が認められ名工になり、その2年後には黄綬褒章も受賞した。

 自身の経験から「諦めず、考え抜き、努力すること」、「夢を宣言すること」を若手には言い続ける。今の夢は「世界一の金型を作り上げるという熱意を持った社員を育てること」。有言実行の名工の挑戦に終わりはない。

金型新聞 2020年12月10日

関連記事

【鳥瞰蟻瞰】長野県南信工科短期大学校 准教授・中島 一雄氏「調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦」

技術者の教育には考えさせることが重要DXで一層必要になる 分かっているものに取り組んでいても技術者としての成長はありません。自らで調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦していくことこそが技術者の根幹であり、何よりも重要なこ…

特別インタビュー 進恵技研 佐藤 倫幸社長
特集 僕らの展示会

先を予測し恐れず投資  自動車のボディやフレーム向けプレス金型を手掛ける進恵技研(栃木県足利市、0284-73-2135)は、ハイテン材(高張力鋼板)用の金型を得意とし、年間約600型を生産する。創業1987年という後発…

鳥羽工産 甦れ!往年の名車たち【金型の底力】

「コロナ禍で航空機など需要が落ち込み、試作車市場も変化している」と語ったのは鳥羽工産の傍島聖雄社長。同社は金型製作(プレスや射出成形)から量産(少ロット)まで一貫生産体制を強みに、これまで自動車の試作型や試作車の製作、航…

社名変更し、再出発 黒田克典氏(プロテリアル 特殊鋼事業部 工具鋼部長)【この人に聞く】

プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…

この人に聞く
DMG森精機 森 雅彦社長

 金型の大型化ニーズが進んでいる。電気自動車の開発や環境規制により車の軽量化を図るため、大型部品のアルミ化や樹脂化、超高張力鋼板の採用が増加しているからだ。工作機械メーカーの中でも、金型の動向から大型加工機に注力し始めて…

トピックス

関連サイト