金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

24

新聞購読のお申込み

キヤノンモールド 技能育伝推進課長 植武 春彦さん(56) 〜ひと〜

育成のプロ、名匠塾の塾長

 社内の技術者に研削や切削など加工の基礎を教える「名匠塾」の塾長。塾生は10年間で全社員の3分の1に当たる168人。同社のものづくりを支える育成のプロだ。

 入社時は「おシャカ製造機」と言われるほどの劣等生。結婚、肉親の不幸、そして親友の逆境を乗り越える生き様に心を打たれ「このままではダメ。同じ人間なんだから努力すれば負けない」と奮起した。気づくと「先輩が出せないサブミクロンの精度が出せるようになっていた」。次第に「植武に任せれば何とかなる」と難題ばかり持ち込まれることに。

 ある時挑んだ精度±0・5μmという精密部品の難加工。他社ではできなかったワークで「五感を全集中で研ぎ澄ます。諦めず、考え抜き、やり抜いた時の達成感は何事にも代えがたい」。ものづくりの醍醐味をそう話す。

 2006年には、キヤノングループ全体で30人ほどしかいない「名匠」の一人に選ばれた。その時、さらなる高みを目指すべく「次は現代の名工になる」と宣言。実際に、数々の実績が認められ名工になり、その2年後には黄綬褒章も受賞した。

 自身の経験から「諦めず、考え抜き、努力すること」、「夢を宣言すること」を若手には言い続ける。今の夢は「世界一の金型を作り上げるという熱意を持った社員を育てること」。有言実行の名工の挑戦に終わりはない。

金型新聞 2020年12月10日

関連記事

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –メキシコ–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

企業と学生つなぎ交流の場をつくる 鳥飼祐介氏(経済産業省企画調整係長)【鳥瞰蟻瞰】

素形材産業の人手不足は、業界共通の課題です。製造業全体の平均から見ても、求人倍率が高い傾向にあります。中途採用や外国人労働者に頼り、人手を確保している企業が多い。 しかし、人手を確保できれば誰でも良いわけではありません。…

【インタビュー】本田技研工業・田岡秀樹氏「自動車は『CASE』から『PACE』へ、金型の重要性は変わらない」

本田技研工業 四輪事業本部ものづくりセンター 完成車開発統括部車両企画管理部 生産製造企画課製造デジタル・グループ エキスパート・エンジニア 田岡  秀樹氏 CASEから「PACE」へ 金型の重要性変わらず  …

【ひと】町工場親善大使・羽田詩織さん イベント通じ、町工場の楽しさ伝える

イベント通じ、町工場の楽しさ伝える 本業の司会業やナレーションのかたわら、町工場に子どもたちを集め、ものづくりの楽しさを伝えるワークショップ「町工場たいけん えんにち!」を企画する。町工場親善大使を名乗る、中小製造業の応…

日本金型工業会 業界連携WGリーダー 渡辺隆範氏に聞く【特集:日本金型工業会第14回定時総会】

異なる型種のアライアンス発足 元々、テーマに挙がっていたのは「価格決定力を向上」ワーキンググループ(WG)でした。テーマが広範なので、何ができるだろうと議論しました。以前から連携の重要性は認識していましたし、異なる型種の…

トピックス

関連サイト