金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

10

新聞購読のお申込み

キヤノンモールド 技能育伝推進課長 植武 春彦さん(56) 〜ひと〜

育成のプロ、名匠塾の塾長

 社内の技術者に研削や切削など加工の基礎を教える「名匠塾」の塾長。塾生は10年間で全社員の3分の1に当たる168人。同社のものづくりを支える育成のプロだ。

 入社時は「おシャカ製造機」と言われるほどの劣等生。結婚、肉親の不幸、そして親友の逆境を乗り越える生き様に心を打たれ「このままではダメ。同じ人間なんだから努力すれば負けない」と奮起した。気づくと「先輩が出せないサブミクロンの精度が出せるようになっていた」。次第に「植武に任せれば何とかなる」と難題ばかり持ち込まれることに。

 ある時挑んだ精度±0・5μmという精密部品の難加工。他社ではできなかったワークで「五感を全集中で研ぎ澄ます。諦めず、考え抜き、やり抜いた時の達成感は何事にも代えがたい」。ものづくりの醍醐味をそう話す。

 2006年には、キヤノングループ全体で30人ほどしかいない「名匠」の一人に選ばれた。その時、さらなる高みを目指すべく「次は現代の名工になる」と宣言。実際に、数々の実績が認められ名工になり、その2年後には黄綬褒章も受賞した。

 自身の経験から「諦めず、考え抜き、努力すること」、「夢を宣言すること」を若手には言い続ける。今の夢は「世界一の金型を作り上げるという熱意を持った社員を育てること」。有言実行の名工の挑戦に終わりはない。

金型新聞 2020年12月10日

関連記事

リーダーの条件[part1] 経営のカリスマが心掛けていること

サイベックコーポレーション 顧問 平林 健吾氏  1944年生まれ、長野県出身。工作機械メーカー、プレス部品メーカーを経て、73年に信友工業(現サイベックコーポレーション)を設立。2009年顧問。18年旭日単光章を受賞。…

倉敷機械 1台で複数加工がこなせる機械、金型加工の効率化を実現

工作機械メーカーの倉敷機械は、金型加工の効率化を実現する機械の提案を強化している。 今年1月には5軸マシニングセンタ(MC)に横中ぐり機能を搭載した「KTR‐1200」を発売。この新型は中ぐり主軸を繰り出すことで、特殊工…

元本田技研工業 田岡秀樹氏に聞く【特集:自動車金型の未来】

電動化に3つの方向性 電動化やギガキャストで変わる自動車づくり。元本田技研工業で型技術協会の会長も務めた田岡秀樹氏は「自動車業界はゲームチェンジの局面を迎えており、破壊的なイノベーションが起きている」とみる。一方で「中小…

小林工業 佐藤正樹新社長インタビュー、利益向上し夢を持てる会社に

粉末冶金金型メーカーの小林工業(秋田県由利本荘市)は、今年の6月に社長を交代。新社長として、佐藤正樹氏が就任した。佐藤社長に今の意気込みや注力していくこと、今後の目標などを聞いた。 ―これまでの経歴を教えてください 代表…

日型工業 金型技術ライセンスを供与 知財戦略でビジネスモデル変える【金型の底力】

金型を売り切るだけでなく、金型技術を活かし、収益をどう安定化させるかー。金型メーカーにとって普遍的な課題だ。鋳造型を手掛ける日型工業は独自技術を他社にライセンス供与し、収益化につなげている。「多くの人に使ってもらうことで…

トピックス

関連サイト