金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

08

新聞購読のお申込み

三洋技研 ワンチャックで穴と形状加工【特集:尖った技術を使いこなせ】

工程集約で短納期化

自動車や家電、住宅設備向け精密プラスチック金型を手掛ける三洋技研(名古屋市西区)は1987年に設立し、顧客の開発案件から金型設計・製作、トライ(30~150t)までの体制を確立。熱可塑性樹脂から熱硬化性樹脂まで対応できるのも大きな特長で、「熱硬化性樹脂の開発案件は多い」と執行役員の田端泰裕氏は語る。PEEK材や液状シリコンなどバリの出やすい素材に対し、トランスファー・直圧・射出の3方式から最適な方法を選択。ミクロン台の精密金型を製作するほか、独自開発の精密ガスノズル(ストローク100分の5㎜)で成形時のガス抜き課題も解決するなど成形困難な樹脂部品の高品質化を実現。熱交換器用のパイプといった中空部品なども得意だ。

トグロンハードドリルの加工サンプル

そんな同社の悩みの1つがエジェクターピンの穴加工。15年ほど前から「小型化」「軽量化」の流れと共に、「短納期化」のニーズが高まり、加工時間を短縮する方法を探していた。中でも、エジェクターピン穴加工は従来、細穴放電とワイヤカットを活用するため、加工時間が長く、段取り時間も大きな課題だった。

そんな時出会ったのがイワタツールのトグロンハードドリル。焼入れ鋼に穴加工ができる工具の開発を進めていた時で、『とぐろを巻く』を連想させる特殊形状な工具に、田端氏は「センタードリルメーカーのイメージが強かったが、いざテスト加工すると、折れると思っていた工具が折れずに直彫り加工ができた」と驚く。その後、共同で開発を進め、金型の穴加工に求められる深さなどアドバイスも送り、『トグロンハードドリル20D』が完成。焼入れ鋼への穴加工を可能にし、従来3工程必要だった金型加工を、マシニングセンタで穴加工から形状加工まで1工程に集約。加工時間も10分の1に短縮し、金型製作の短納期化を実現した。田端氏は「一般的な超硬ドリルより工具寿命が長く、使い勝手も良いので金型の短納期化に最適」と太鼓判を押す。

エジェクターピン穴加工をマシニングセンタに集約

同社は各工程に専門性の高いスペシャリストが多く、人材育成面で多能工化より専門性を尊ぶ。田端氏は「各自専門性を高めることで高度な金型にも挑戦できる」と語り、今後は豊富なスペシャリスト人材を活かし、医療分野など新たな市場開拓へ突き進む。

会社概要

  • 本社:名古屋市西区比良3-492
  • 電話:052・502・2111
  • 代表者:堀場友介社長
  • 創業:1987年
  • 従業員数:20人
  • 事業内容:精密プラスチック金型の設計・製作

金型新聞 2025年2月10日

関連記事

三菱重工工作機械 日本電産マシンツールに社名変更

三菱重工業は、100%出資子会社である三菱重工工作機械の全株式の日本電産への譲渡が8月2日付で完了した。 これに伴い、三菱重工工作機械は、「日本電産マシンツール株式会社」に社名変更した。 日本国内の営業部門およびアフター…

杉山電機システム ミス検出やカス上がり検出【金型応援隊】

杉山電機システムは、プレス加工時の異常を検出し機械を自動停止させるミス検出器やカス上がり検出器の専門メーカー。基板(電子回路)からプログラム作成など自社で設計・製作する一貫生産体制を構築し、顧客ニーズに一早く応えている。…

三菱電機 誰でも簡単に高品位加工【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

ワイヤ放電加工機「MGシリーズ」、加工条件設定にAI活用 ワーク形状によって微妙な加工条件の設定が必要になるため、技能者によって加工レベルに差が出るワイヤ放電加工。三菱電機が13年ぶりに刷新したワイヤ放電加工機「MGシリ…

【Breakthrough!】平面研削加工

平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…

ニッシン・パーテクチュアル 「成長市場のニッチを攻める」冷間圧造金型メーカーが“推し活”市場に挑む理由

東京ビッグサイト(東京都江東区)で7月2日~4日に開催された「推し活EXPO」。好きな有名人やキャラクターなどを応援する“推し活”に関連するグッズやサービスなどが展示され、3日間で大手小売店や出版社、玩具メーカーなど3万…

トピックス

関連サイト