金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

09

新聞購読のお申込み

三洋技研 ワンチャックで穴と形状加工【特集:尖った技術を使いこなせ】

工程集約で短納期化

自動車や家電、住宅設備向け精密プラスチック金型を手掛ける三洋技研(名古屋市西区)は1987年に設立し、顧客の開発案件から金型設計・製作、トライ(30~150t)までの体制を確立。熱可塑性樹脂から熱硬化性樹脂まで対応できるのも大きな特長で、「熱硬化性樹脂の開発案件は多い」と執行役員の田端泰裕氏は語る。PEEK材や液状シリコンなどバリの出やすい素材に対し、トランスファー・直圧・射出の3方式から最適な方法を選択。ミクロン台の精密金型を製作するほか、独自開発の精密ガスノズル(ストローク100分の5㎜)で成形時のガス抜き課題も解決するなど成形困難な樹脂部品の高品質化を実現。熱交換器用のパイプといった中空部品なども得意だ。

トグロンハードドリルの加工サンプル

そんな同社の悩みの1つがエジェクターピンの穴加工。15年ほど前から「小型化」「軽量化」の流れと共に、「短納期化」のニーズが高まり、加工時間を短縮する方法を探していた。中でも、エジェクターピン穴加工は従来、細穴放電とワイヤカットを活用するため、加工時間が長く、段取り時間も大きな課題だった。

そんな時出会ったのがイワタツールのトグロンハードドリル。焼入れ鋼に穴加工ができる工具の開発を進めていた時で、『とぐろを巻く』を連想させる特殊形状な工具に、田端氏は「センタードリルメーカーのイメージが強かったが、いざテスト加工すると、折れると思っていた工具が折れずに直彫り加工ができた」と驚く。その後、共同で開発を進め、金型の穴加工に求められる深さなどアドバイスも送り、『トグロンハードドリル20D』が完成。焼入れ鋼への穴加工を可能にし、従来3工程必要だった金型加工を、マシニングセンタで穴加工から形状加工まで1工程に集約。加工時間も10分の1に短縮し、金型製作の短納期化を実現した。田端氏は「一般的な超硬ドリルより工具寿命が長く、使い勝手も良いので金型の短納期化に最適」と太鼓判を押す。

エジェクターピン穴加工をマシニングセンタに集約

同社は各工程に専門性の高いスペシャリストが多く、人材育成面で多能工化より専門性を尊ぶ。田端氏は「各自専門性を高めることで高度な金型にも挑戦できる」と語り、今後は豊富なスペシャリスト人材を活かし、医療分野など新たな市場開拓へ突き進む。

会社概要

  • 本社:名古屋市西区比良3-492
  • 電話:052・502・2111
  • 代表者:堀場友介社長
  • 創業:1987年
  • 従業員数:20人
  • 事業内容:精密プラスチック金型の設計・製作

金型新聞 2025年2月10日

関連記事

加工現場でも対応進むカーボンニュートラル CO2排出量の見える化【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

シンコー精機 金型の直彫り化を推進、面品位高め、金型寿命向上【Innovation〜革新に挑む〜vol.10】

シンコー精機はアイシングループのアルミダイカスト金型メーカー。型締め力500~800tの金型を得意とし、エンジン部品関連のほか、近年は電動化部品関連の金型などを手掛ける。加工現場ではこれまでの放電加工を中心とした金型づく…

丸順 東証二部に上場

丸順は、3月12日、東京証券取引所市場第二部に上場した。これにより、同取引所と名古屋証券取引所の2市場で同社株式の売買が可能となった。 同社は、超ハイテン材の金型技術およびプレス加工で先行しており、自動車の軽量化・電動化…

明星金属工業 上田幸司社長に聞く CO2削減に取り組む理由【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

自動車のプレス金型を手掛ける明星金属工業は、工場のエア効率化や照明のLED化などにより16年間でCO2排出量を18・5%削減した。カーボンニュートラルへの取り組みを推進する上田幸司社長は「CO2削減に取り組むことで無駄な…

キヤノンモールド 誰でも簡単に見積もりできる仕組み作り 【特集:営業ってどうする?】

AI機能搭載の図面検索システムを導入 精密プラスチック金型を手掛けるキヤノンモールドは、キヤノン生産技術部門と共同で開発したAI機能搭載の「類似図面検索システム」を2022年に導入。これを活用し、誰でも簡単に見積もり算出…

トピックス

関連サイト