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光和 安定した3µm以下の精度【特集:微細精密加工を究める】
微細精密ルームを設置
金型づくりにおいて微細精密の明確な定義は難しい。コネクターや電子機器などの微細精密プラスチック金型を手掛ける光和は、その領域を「成形機で10t以下、寸法精度で3μm以下」と定義づけている。同社の技術力ではそれ以上のレベルは十分対応可能だが「最近は3μm以下の仕事は少し控えている」(古田和幸社長)という。3μm以下の金型はコストや投資に見合うだけの評価が得づらいためだ。
実際に同社は3μm以下の加工できる高い加工技術を持つ。それを支えるのが±1℃以下の恒温室に、牧野フライス製作所の微細精密加工機「ⅰQ500」1台のみを設置した「微細精密ルーム」だ。フレネルレンズを模したワーク(写真)は微細加工ルームで加工した。加工精度は2μm以下で、面精度は「測る範囲を広げても20nm」(丸山裕也製造部長)。ⅰQ500を使い、日進工具のPCD工具を活用し、切削加工のみで仕上げた。「このクラスになると、荒や中仕上加工レベルから取り残し量を安定した精度にすることが必要」(丸山部長)。

ほかにも、非球面のワークに、高さ3μmの凹凸の長方形のスリットを彫り込んだ金型(写真)。こちらも切削加工だけで仕上げたという。「詳細は言えないが、この金型で成形した部品は、そのユーザーの象徴的な製品に採用されている」という。
だが、古田社長は「このクラスに仕事は全体の10%程度で、少し控えている」という。「3μm以下の仕事になると投資やコストに合った評価が得づらい」という経営面の課題があるからだ。

一つが投資の問題。丸山部長は「3μm以下を常に安定的に保証するとなると、これまで以上の完璧な加工環境、超高精度な研磨機、精度保証する測定機などもう一段上の投資が必要。それに見合うだけの仕事量が確保できるのか」と話す。
もう一つがコストの問題だ。「5μmレベルでも海外との競争が厳しく、現在の1・5倍程度の価格でないと採算が合わない金型もある。3μm以下となると、金型価格は今よりコストや時間がかかる。それが認められるのかどうか」と悩む。
しかし、マーケットは更なる微細精密化の要求を望んでいる。古田社長は「大手ユーザーから±3μm以下の形状精度が求められる金型が増えている」と話す。「なんとかそれには応えたい」とし、微細精密に特化した新工場の用地も確保している。採算性や競争環境を鑑みながら、次のレベルの加工に挑む。
会社概要
- 本社:長野県植科郡坂城町大字坂城318-1
- 電話:0268・82・3134
- 代表者:古田和幸社長
- 創業:1964年
- 従業員:31人
- 事業内容:精密プラスチック金型の設計製造
金型しんぶん2026年8月10日号
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