金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

08

新聞購読のお申込み

【新春特別インタビュー③】黒田製作所社長・黒田 昌彦氏「つくれる領域広げ、特異性のある会社作り」

つくれる領域を広げる 顧客ニーズに応えたい 特異性のある会社作り 〜金型の大型化に対応〜

 1970年生まれ、岐阜県岐阜市出身。大阪経済法科大学法学部卒、金融機関に勤務後、1996年に黒田製作所に入社し、製造部仕上課に配属。2002年管理部部長、05年専務取締役を経て、07年代表取締役社長に就任し現在に至る。好きな言葉は「継続は力なり」。

 自動車は電動や自動化など、「100年に1度の大変革」と言われている。当然、自動車部品も変化している。例えば、スイッチ部品はタッチパネル化し、当社の得意なスピーカーグリルはドアトリムと一体化するなど、部品の大型化や一体化が進んでいる。さらに、ドアでも1枚取りからセット取りなど生産性向上へのニーズも強い。

 その中で当社は30tから1600tまでのプラスチック金型を製作する設備を持ち、自動車の機能部品から内外装部品まで、あらゆる自動車用の金型に対応してきた。唯一お客様のニーズに応えられなかったのが3000tの超大型の金型。当社の創業者である黒田隆会長のモットーは「お客様のニーズは断らない」であり、出来なかった領域に進もうと思った。

 金型の領域を広げることに強いこだわりがあり、4型より10型獲得できる体制をどう構築するか。そのために、九州や東北の企業とパートナーシップを組み、自社100%製作でなく、パートナーと協業して、型数やアフターフォローを協力し合う関係を構築した。中国工場などグローバルネットワーク強化も同じ。金型業界は10年前に比べると事業所数が減少し、後継者不足など厳しい環境が続いている。そうなると誰が日本の金型を担うのか。30tから3000tまで領域を広げることで競争力強化につながると思っている。

 だが、「挑戦しよう」と言っても簡単ではない。3000tの金型を作るにはトライ用大型成形機を含め多額投資が必要で、長期展望を持って取り組まないといけない。また、当社の平均年齢は34歳と若く、超大型の金型を製作するために必要な経験面で不安も残る。

 少し話を変えて、当社は異色な面を持っている。会長も私も金融機関出身で文系の大学卒と数字へのこだわりが強い。会長も「数字に弱いやつは経営できない」と日頃から厳しく、若い頃は数字への質問に即答できないと怒られることも多かった。それは他社にない長所で、経営者が経営に集中し、現場の技術者が伸び伸びと働ける環境を作ってきた。だから、徹夜した社員に対する差し入れなど気遣いも大切にしている。社員教育も充実させ、来年は教育の一環でファイナンシャルプランナーを交えたお金の授業やライフプランを考え、社員が安心して働けるようにバックアップしていく。

 2019年の令和元年と共に会社のロゴマークから制服まで刷新した。平成最終日、社員を前にCAD/CAM導入や3D設計、海外進出など、時代の変化で、当社が歩んできた道を説明した。今後も挑戦しながら変化する。目標は『Always Be A Challenger』。若い会社であることは将来の希望でもある。社員と共に、お客様が満足してくれる金型を作っていこう。

金型新聞 2021年1月20日

関連記事

ヴェロソフトウェア マークフリーブリー氏に聞く<br>一気通貫のソリューション 技能者に依存しないソフト開発

ヴェロソフトウェア マークフリーブリー氏に聞く
一気通貫のソリューション 技能者に依存しないソフト開発

この人に聞く 2018 金型設計製造向けCAD/CAMシステム「VISI」などを手掛けるヴェロソフトウェア。創業からM&A(合併と買収)などによって製品ラインアップを拡大し、最近では「WorkNC」や「Edge…

武林製作所の千田氏が「八尾ものづくり達人」

加工効率高める金型を設計 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の金型設計技術者・千田雄一さんが、2023年の「八尾ものづくり達人」に選ばれた。金型の加工効率や品質を高め…

次世代3次元積層技術の研究会を発足、金型への実装を目指す 吉田 佳典氏(岐阜大学 工学部教授 )【鳥瞰蟻瞰】

4月に本学にある、地域連携スマート金型技術研究センター内に「次世代3次元積層技術研究会」を立ち上げました。活動は金属3Dに関連した研究会と勉強会ですが、岐阜大が目指すのは金属3D積層技術を生かした金型づくりを社会実装する…

この人に聞く2015 <br>型技術協会 会長 田岡 秀樹氏

この人に聞く2015
型技術協会 会長 田岡 秀樹氏

出会い生み出せる場に 来年30周年、記念事業 全社参加の展示会  金型技術者、経営者らが集まる型技術協会は来年30周年を迎える。来年9月には、大田区産業プラザPiOで記念イベントを開く予定だ。「全会員参加で出会いの場を創…

ハマダ工商 AMで新たなものづくり【金型の底力】

樹脂やプレス金型の製作から少量の成形まで手掛けるハマダ工商は今年2月、事業再構築補助金を活用し、金属3Dプリンタを導入した。水管を自由に設計した冷却効果の高い金型で、反りを抑えた防犯レンズカバーの成形品を提供するのが狙い…

トピックス

関連サイト