金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

07

新聞購読のお申込み

【新春特別インタビュー③】黒田製作所社長・黒田 昌彦氏「つくれる領域広げ、特異性のある会社作り」

つくれる領域を広げる 顧客ニーズに応えたい 特異性のある会社作り 〜金型の大型化に対応〜

 1970年生まれ、岐阜県岐阜市出身。大阪経済法科大学法学部卒、金融機関に勤務後、1996年に黒田製作所に入社し、製造部仕上課に配属。2002年管理部部長、05年専務取締役を経て、07年代表取締役社長に就任し現在に至る。好きな言葉は「継続は力なり」。

 自動車は電動や自動化など、「100年に1度の大変革」と言われている。当然、自動車部品も変化している。例えば、スイッチ部品はタッチパネル化し、当社の得意なスピーカーグリルはドアトリムと一体化するなど、部品の大型化や一体化が進んでいる。さらに、ドアでも1枚取りからセット取りなど生産性向上へのニーズも強い。

 その中で当社は30tから1600tまでのプラスチック金型を製作する設備を持ち、自動車の機能部品から内外装部品まで、あらゆる自動車用の金型に対応してきた。唯一お客様のニーズに応えられなかったのが3000tの超大型の金型。当社の創業者である黒田隆会長のモットーは「お客様のニーズは断らない」であり、出来なかった領域に進もうと思った。

 金型の領域を広げることに強いこだわりがあり、4型より10型獲得できる体制をどう構築するか。そのために、九州や東北の企業とパートナーシップを組み、自社100%製作でなく、パートナーと協業して、型数やアフターフォローを協力し合う関係を構築した。中国工場などグローバルネットワーク強化も同じ。金型業界は10年前に比べると事業所数が減少し、後継者不足など厳しい環境が続いている。そうなると誰が日本の金型を担うのか。30tから3000tまで領域を広げることで競争力強化につながると思っている。

 だが、「挑戦しよう」と言っても簡単ではない。3000tの金型を作るにはトライ用大型成形機を含め多額投資が必要で、長期展望を持って取り組まないといけない。また、当社の平均年齢は34歳と若く、超大型の金型を製作するために必要な経験面で不安も残る。

 少し話を変えて、当社は異色な面を持っている。会長も私も金融機関出身で文系の大学卒と数字へのこだわりが強い。会長も「数字に弱いやつは経営できない」と日頃から厳しく、若い頃は数字への質問に即答できないと怒られることも多かった。それは他社にない長所で、経営者が経営に集中し、現場の技術者が伸び伸びと働ける環境を作ってきた。だから、徹夜した社員に対する差し入れなど気遣いも大切にしている。社員教育も充実させ、来年は教育の一環でファイナンシャルプランナーを交えたお金の授業やライフプランを考え、社員が安心して働けるようにバックアップしていく。

 2019年の令和元年と共に会社のロゴマークから制服まで刷新した。平成最終日、社員を前にCAD/CAM導入や3D設計、海外進出など、時代の変化で、当社が歩んできた道を説明した。今後も挑戦しながら変化する。目標は『Always Be A Challenger』。若い会社であることは将来の希望でもある。社員と共に、お客様が満足してくれる金型を作っていこう。

金型新聞 2021年1月20日

関連記事

ALPHA LASER ENGINEERING 市川修社長インタビュー

研削力高いセラミック砥石 ALPHA LASER ENGINEERINGは昨年11月、独自ブランドの金型用セラミック砥石を発売した。優れた研削能力や耐熱性が特長で、広がる金型リユースの需要に応えていくという。市川社長に開…

【鳥瞰蟻瞰】牧野フライス製作所プロジェクト営業部スペシャリスト・山本英彦氏「日本メーカーの力が持続可能な社会の実現には必要」

大事なのは、自信を持つこと日本メーカーの力が持続可能な社会の実現には必要 1983年に牧野フライス製作所に入社してから、海外畑を歩んできました。キャリア当初は、アメリカ向け立形マシニングセンタや放電加工機の営業支援を担当…

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

【金型の底力】フジイ金型 我が社は、金型という商品のメーカー

メーカーとしてのプライド国内生産にこだわる ダイカスト用金型の専業メーカーであるフジイ金型。型締力800㌧までの金型に特化し、月平均25型以上の生産力を誇る。設計、製作、立ち上げ、修理と、試作から量産までトータルでサポー…

大垣精工 代表取締役専務 松尾  幸雄氏「新しいことに挑戦することが技術の向上につながる」

経験による予測が不可欠若い人は好奇心旺盛であれ新しいことに挑戦して 日本の金型はますます難易度が高くなる一方、若手が基礎を学び、簡単なことから経験し、成長していく土壌が失われつつあります。だからこそ、過去の経験や技術を伝…

トピックス

関連サイト