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【金型の底力】キヤノンモールド世界に誇れる「見通せる工場」
世界一の金型メーカーへ 新本社工場が本格稼働

キヤノンモールドは移転を進めていた「本社・友部事業所」を7月から本格稼働させた。市内に分散していた工場を1か所に集約。自動化や人・モノの移動を減らすなどして、従来比で1.5倍の生産能力を図る。さらに、強みとする人によるこだわりの金型づくりを強化し、金型の高付加価値化を進めることで「世界一のプラスチック金型メーカーを目指す」(斎藤憲久社長)。


同社は2007年、キヤノンの金型部門、キヤノン化成の金型部門、イガリモールドが統合して発足。以降、「友部事業所」(茨城県笠間市)と、「阿見事業所」(同県阿見町)」に分かれて運営してきた。阿見事業所は主にキヤノン向けの金型を、友部事業所は自動車や医療機器など幅広い精密プラスチック金型を手掛ける。
今回集約したのは友部事業所。笠間市内の6か所に分散していた工場を、敷地面積10万㎡、延べ床面積約1万8000㎡の新工場にまとめた。狙いは自動化に加え、人やモノの移動などを最小限に抑える物流効率の改善だ。「生産量含め、すべての指標で1.5倍を目指す」(斎藤社長)という。
そのために、こだわった一つが「見通せる工場」。工場内は60m×40mの4つのゾーンに分かれるが、ゾーン内に全く柱がない。「柔軟なレイアウトが可能。また、全体を見渡せることで金型づくりの見える化につなげる」。

さらに、その4つのゾーンをダイセット、駒加工・組立、成形、測定・検査など加工順に並べ、一気通貫で戻りのない機能的なレイアウトにした。「これまで1工場で完結しない金型が多かった。入口から出口まで戻りのない流れを作り、人とモノの移動を最小化する」。
さらに集約効果を出すために、荒加工の自動化ラインを導入した。2台の横型マシニングセンタに20パレットと搬送ロボットを持つ自動化システムを2ライン構築し、24時間フル稼働を可能にした。「各工場に分散していた荒加工を集めることで、自動化できる加工量を確保できた」。
新工場では生産性向上だけでなく、金型づくりのこだわりも継承する。新工場のコンセプトを「創業の理念と文化を残しつつ、時代を先取りした世界に誇れる工場」としたのがその表れだ。
斎藤社長は「現在の当社があるのは、イガリモールド時代の金型を作り込む匠の技術があったから。その部分はなくしてはいけない」と話す。そのために、新工場内に現代の名工に認定された「匠」らが人の育成を担う「名匠塾」を設けた。
人を重視するのは「金型は単なる道具ではなく、価値を生む高付加価値商品」(斎藤社長)だからだ。これまでも、型内で組立から接合までできるダイスライドインジェクション(DSI)金型などを多く手掛けてきた。最近では、独自の「型内組立」を開発し、様々なニーズに応えている。さらに「型内組立」に使用される小型射出成形装置の開発も進めている。
これだけの大規模な投資や、開発を強化するのは「国内外を含め、金型の市場は成長する」(斎藤社長)とみるからだ。そして、「今回の工場を契機にして日本一、ひいては世界一のプラスチック金型メーカーを目指す」。
会社概要
- 本社 : 茨城県笠間市柏井812番2
- 電話 : 0296-77-8171
- 代表者 : 斎藤憲久社長
- 創業 : 1972年
- 従業員 : 520人
- 事業内容 : 精密プラスチック金型の設計、製作。
会社の自己評価シート

加工の無人化・自動化を実現する設備力、型内組立などの設計技術が強みである。また、技能を伝承する教育機関を有するなど人材育成にも力を入れている。
金型新聞 2021年9月10日
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