金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

16

新聞購読のお申込み

【インタビュー】ミスミグループ本社 常務執行役員 ID企業体社長・吉田 光伸氏「ものづくりのDXを加速」

ミスミグループ本社(東京都文京区、03- 5805-7050)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビィー)」の新機能をトヨタ自動車と共同で開発した。3DCAD上で設定した部品の穴情報を「meviy」に自動で反映させる機能で、これまでかかっていた手間を削減する。「ユーザーと手を取り合いながら共創し、ものづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させていきたい」と話す吉田光伸常務に狙いや今後の展開などを聞いた。

ユーザーと共創

よしだ・みつのぶ
1973年生まれ、福井県出身。金沢大学法学部卒業、2008年ミスミ入社、18年ID企業体社長、20年常務執行役員、現在に至る。

今回、共同開発に至った経緯は。

トヨタ自動車は「meviy」を初期の頃から活用してもらっているユーザーの1社。これまでにも同社の要望やアイデアを取り入れて開発を進めてきた。

トヨタ自動車と共同開発する理由とは。

当社は「meviy」によって、ものづくりのDXを目指している。トヨタ自動車も紙図面作成の非効率に着目し、3DCADデータのみで設備設計・加工・組付けを完結させる最先端のものづくりの仕組みを構築してきた。同社のノウハウを取り入れた機能を搭載することで、「meviy」をより多くのユーザーに活用してもらい、製造業全体のDXに貢献できると考えた。

開発した機能とは。

3DCAD上で設定した部品の穴の種類や精度といった情報を「meviy」に自動で反映させる機能だ。「meviy」は板金・切削部品の3DCADデータをアップロードすることで、即時見積もり、発注が可能なサービスだが、ユーザーが3DCAD上で設定した部品の穴情報はアップロードした際に完全には引き継がれず、都度指定し直す必要があった。新機能によって、そうした作業の手間が省け、作業効率を約30%向上させることが可能になった。

なぜ自動で反映させることができるのか。

穴の種類や精度ごとに色属性を設定することで可能にした。設計データ側で設定した色属性から部品の穴情報を自動で認識し、「meviy」に反映させることができる。金型でも面精度や公差などを色で指定してデータをやり取りするが、それと同じようなイメージだ。切削プレートでは色属性はタップ穴の並目と細目、インサート、精度穴の4タイプで設定できる。細かい機能かもしれないが、設計者の作業負担軽減に大きく役立つ機能だと考えている。

今後の展開は。

今回のリリースはあくまで第一弾。今後もトヨタ自動車と共同開発を進め、新しい機能を追加していくつもりだ。

「meviy」は2016年にリリース以来、現在までにユーザー数は6万を超え、アップロードされたデータ数も累計で550万を超えた。しかし、「ものづくりのプラットフォーム」として価値を広げていくためには、さらに進化させていく必要がある。さらなる機能強化や切削と板金以外の加工への対応なども考えている。それにはオープンイノベーションが欠かせない。今後もユーザーと手を取り合いながら共創し、ものづくりのDXを加速させていきたい。

金型新聞 2021年10月10日

関連記事

【ひと】ヤマシタワークス・福田 真弓さん 薬剤の金型を加工するママさんNC担当者

二人の子供を持つママさんNC加工担当者。入社のきっかけは、よくあるパート募集。応募したのは勤務時間が10時から15時までと働きたい時間に合致していたから。ただ、通常のパートと違ったのが、募集の職種が「NC加工」だったこと…

ササヤマ 笹山勝社長に聞く コア業務に専念できる環境に【特集 攻める設備投資】

自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデー…

ユニオン精機 直彫り化でリードタイム短縮、進化し続ける企業目指す【Innovation〜革新に挑む〜vol.6】

ダイカスト金型を中心としたアルミニウム鋳造用金型専業メーカーのユニオン精機(兵庫県加古川市、079・425・0765)。型締力1000t以上の大物金型を得意とし、二輪・四輪車や汎用エンジンなどのアルミニウム鋳造部品に対応…

新日本工機・中西 章社長「ものづくり力向上を支援」

「30年間お客様とものづくりを改善し続けられる存在でありたい」—。そう話すのは一昨年に新日本工機の社長に就任した中西章氏。ライフサイクルの長い大型機械が強みなだけに、「長期間にわたって、顧客のものづくりをサポートするのは…

パンチ工業 大連工場 研究開発部 呂 国健さん(26) 〜ひと〜

5軸MCで原寸大のシャトルを作った  原寸大のバドミントンシャトルをアルミ合金で作り上げた。羽の厚みは0.6㎜と薄く、細い。そんな加工難度の高い形状を、5軸マシニングセンタ(MC)を駆使して加工した。その高い技術力と柔ら…

トピックス

関連サイト