金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

29

新聞購読のお申込み

シミズプレス 金型工場を新設し高精度化と外販の強化【金型の底力】

プレス加工メーカーのシミズプレス(群馬県倉賀野市、027-320-2880)は今年10月、金型工場を新設した。これまでプレス量産工場内にあった金型加工設備を移設。金型加工の高精度化を図り、モータコア用金型など新規分野の開拓に挑む他、金型の外販にも取り組む。金型部門を強化し、さらなる付加価値の向上を目指す同社の取り組みに迫った。

清水龍司常務
金型工場医療部品を量産
医療部品を量産
スエージング加工

本社工場敷地内に約1億円を投じて新設した金型工場は延床面積300㎡、2階建て構造。1階部にはマシニングセンタ(MC)や平面研削盤、ワイヤ放電加工機などの金型加工設備を並べ、2階部を事務所とした。

同社が金型工場を新設した理由の一つが金型の高精度化だ。同社では現在、モータコアなど、より精度の高い加工が求められる分野の開拓に取り組んでいる。最近では医療分野にも参入。80tのサーボプレス機に内製した金型と自動化装置を組み合わせた生産システムを導入し、電気メスの先端部を月1万~2万本ほどを量産している。工程内の金型に要求される加工精度は±0.05~0.01㎜と高く、今後のさらなる需要拡大に向けて、「金型の精度レベルを引き上げる必要があった」(清水龍司常務)。

もともと同社は、プレス量産工場内で金型を加工していた。ただ、プレス加工の振動を拾ったり、プレス音で微細な加工音の変化が聞こえなかったり、高精度な金型加工を行うにはさまざまな課題があった。また、「昼間はプレス加工機が稼働しているので、精密な加工は夜間しかできなかったり、効率も悪かった」(斉藤正芳統括本部長)。こうした問題を解決するために、金型工場と量産工場を分け、振動や音など量産工場の影響を削減。昼夜問わず安定して稼働できる環境を作り上げた。

この高精度化の他に金型工場を新設したもう一つの理由が、外販需要への対応だ。プレス加工メーカーとして創業した同社だが、04年ごろから金型の内製化にも取り組み始めた。現在、社内で使用するほとんどの金型を内製している。また、17年からは金型の外販も本格化。近年、この外販の需要が高まっていた。

「昨今、後継者不足などを背景に、近隣の金型メーカーの廃業が進んでいる。当社はもともと内製のみだったが、外販してほしいという声を多くもらうようになり、外販も行うようになった。最近はそのニーズが大きくなっている」(清水常務)。

現在、受注する外販金型は年間70型ほど。これまでは年間でも数型~数十型ほどだったが、一気に需要が拡大した。将来的には金型の売上を1億円に引き上げることを目標に掲げている。「目標達成には人材の育成が不可欠。現在3人の従業員を5人に増やし、金型の技術力をさらに向上させていきたい」(清水常務)。

今後は金型加工の3次元化に取り組んでいく考え。同社売上の約3割を占めるスエージング加工で使用する金型は自由曲面や傾斜面などの形状が多く、社内での加工が難しかった。3DCAD/CAMなどを導入し、3次元形状の金型加工に対応することで、スエージング加工向け金型の内製化を目指す。

会社の自己評価シート

技術力が9点と最も高い。「他社ができないことをやるのが当社の売り」と清水常務。高い技術力があるからこその強みだ。次いでチーム力やチャレンジ精神、未来に投資する力が高い。

会社概要

  • 本社:群馬県高崎市倉賀野町2987
  • 電話:027-320-2800
  • 代表者:清水紀幸社長
  • 創業:1968年
  • 従業員:19人
  • 事業内容:金属プレス加工、精密金型設計製作、金属管スエージング加工など

金型新聞 2022年12月10日

関連記事

ワークス 三重野計滋社長に聞く 尖った技術に仕事は集まる

ワークス(福岡県遠賀町、093・291・1778)は、ガラス製マイクロレンズアレイ(MLA)など超精密のレンズ金型を手掛ける。微細精密なMLAは自動車のヘッドアップディスプレイや小型プロジェクター、ウェアラブルなどで需要…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

日本金型工業会 会長 小出 悟氏 (小出製作所社長)
〜鳥瞰蟻瞰〜

金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事  「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…

デジタルとアナログ融合し、型づくりの構想力鍛える 八光技研【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

技術者育成、生産性向上に貢献 開発試作プレス部品の金型、プレス、レーザー加工まで一貫して手掛ける八光技研。アナログとデジタルを融合させる解析ソフトの活用術で、育成や大幅な生産性向上に役立てている。 同社はレーザー加工技術…

三菱重工工作機械 佐郷昭博氏に聞く<br>高精度金型向けマシン<br>段差ゼロ、誤差ゼロへ

三菱重工工作機械 佐郷昭博氏に聞く
高精度金型向けマシン
段差ゼロ、誤差ゼロへ

三菱重工工作機械が金型加工向け販売を強化している。小型機から5面加工機までラインアップを揃え、より高精度を求められている金型をターゲットに、最適ソリューションを提案する。その背景、今後の展開を佐郷昭博取締役トータルソリュ…

トピックス

関連サイト