金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

03

新聞購読のお申込み

進む自動化・見える化 複数の加工工程を集約する生産システムの構築【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集では、「AMによる金型づくりの拡大」、「微細加工への参入企業増加」、「プログラム効率化技術の進化」、「脱炭素対応技術の登場」、「多様化する自動化技術」の5つのテーマにフォーカスし、2022年の最新金型加工技術をまとめた。

複数の加工工程を集約

AMRとロボットを組み合わせた自動化システム

生産システムの構築

国内製造業は慢性的な人材不足により生産現場の自動化ニーズが高まっている。そうした自動化設備は量産工程の中でロボット活用やセル生産方式など変革が進んできたが、金型生産現場も5軸加工機や複合加工機を用いた工程集約、段取り時間の短縮など省人・省力化につながる機械・機器の提案が増えている。

これまでの金型加工は一品一様かつ高精度な加工が求められるため、マシニングセンタや放電加工、ラップ加工(磨き)、測定など複数工程を要していたが、同時5軸加工機や複合加工機などの高精度化や機上測定の技術が進化し、1台の機械に工程を集約することも可能になってきた。さらに、夜間や休日をフル活用するには多品種少量の自動化システムが求められ、AWC(オートワークチェンジャー)などを活用した生産システムの構築がノウハウの1つになり、サイズ・材質・形状の異なるワークに対応した自動化システムを構築した企業もある。工作機械メーカーも金型メーカーの自動化ニーズに応え、金型製造現場向けの自動搬送ロボットや協働ロボットを活用した自動化システムの開発を進めている。

こうした自動化システムは複雑化しており、予期せぬトラブルも多い。ある金型メーカーでは自動化システムのトラブルとしてワークに切粉が残るなど清掃の課題があると指摘する。そうしたトラブルを未然に防ぐ、あるいは迅速に対応するためにも、センサやカメラを使ったIoTによる可視化も重要になっている。

増加傾向にあるのが金型の可視化(見える化)だ。金型ユーザーの大きな課題は量産時における不良低減となるが、現場の技能や環境によって状況は異なるため、簡単に不良を減らせない。昨今は人手不足も深刻になっており、常に良品を生み出すシステムの構築が求められている。そこで期待されているのが金型内に圧力や温度などセンサを配置し、IoTの技術を活用して金型の状態を見える化し、予兆保全や自動で最適な加工条件を導き出せるシステムの開発を進める金型メーカーも出てきた。将来は量産時の不良ゼロを実現する新システムが生まれる可能性もある。

金型新聞 2022年12月10日

関連記事

金型メーカー座談会 若手経営者が語る<br>ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

人材育成の要諦 デジタルとアナログを融合 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第二部ー 最終回となる今回のテーマは「連携」と「人材育成」。戦略云々よりも、経営者同士の感性や考え方が合った連携の…

金型メーカー新春座談会(第2部)<br>5氏が語る〜中核人材どう育てる〜

金型メーカー新春座談会(第2部)
5氏が語る〜中核人材どう育てる〜

 第1部では、必要な人材像や育成について方法について議論してもらい「顧客の要望に合わせて柔軟に考えられる人」、「社長を補佐する中核的人材」などが求められていることがわかった。一方、育成では「外部からの刺激」や「任せて、考…

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

経営支える中核人材を  金型メーカーを取材すると必ずと言っていいほど話題になるのが人材育成の苦労や確保の難しさ。少子高齢化に伴う人材不足に加え、金型づくりで求められる人材像が変わってきていることも大きな理由だ。そこで、今…

自動化で年4400万円のコスト減 月平均600時間稼働【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるた…

微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

トピックス

関連サイト