鍛造は大きく熱間と冷間に分かれるが、重量ベースでは圧倒的に熱間が多い。成形品が比較的大きいことも理由の一つだ。一方で、金型はコストや納期の問題から圧倒的に内製率が高いという。自らも熱間鍛造部品を手掛ける、日本鍛造協会の…
加工現場でも対応進むカーボンニュートラル CO2排出量の見える化【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】
金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集では、「AMによる金型づくりの拡大」、「微細加工への参入企業増加」、「プログラム効率化技術の進化」、「脱炭素対応技術の登場」、「多様化する自動化技術」の5つのテーマにフォーカスし、2022年の最新金型加工技術をまとめた。
CO2排出量の見える化
オイルポンプを効率化
脱炭素化などカーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速する中、金型メーカーにも二酸化炭素(CO2)排出量の少ない工場づくりが求められている。中には、顧客からCO2排出量を削減するよう要請されたという金型メーカーも少なくない。
とはいえ、多くの金型メーカーは「何から取り組めば良いか分からない」と頭を悩ませているのが現状だ。こうした中、金型づくりを支える工作機械や工具、機器メーカー各社は現場のCO2排出量の削減に貢献する製品の開発や提案などに動き始めている。
多くの工作機械メーカーがCO2排出量削減の第一歩として提案するのが、「見える化」だ。稼働監視システムなどを活用し、消費電力量や機械稼働時間などから機械のCO2排出量を算出。機械ごとにどれくらいのCO2を排出しているかが把握できる。運用を最適化することで、CO2排出量の削減につながるという。
各社、表示モニタや分析ツールなどを充実させ、改善に役立つ機能を強化する。主軸や送り軸のオイルコントローラや冷却クーラントなど個々の機器ごとに電力使用量を表示させたり、遠隔診断で最適な運用方法を知らせたり、さまざまな機能を開発している。
省エネ機能もこれまで以上に強化されている。特にオイルポンプの効率化が大きい。工作機械のエネルギー消費量の約70%がオイルポンプ関連とされており、
この技術に注目!
三菱電機「年間18.2tのCO2排出を削減」
Green Technology
独自のAI技術「Maisart(マイサート)」、省電力電源、リモートサービス「iQ Care Remote4U(ダッシュボード機能、リモート診断機能)」、独自駆動システムなどを活用。放電加工機の年間消費エネルギー、年間CO2排出量を大幅に削減する。
同社シミュレーションでは、ワイヤ放電加工機と形彫放電加工機の2台合わせて18.3tのCO2排出を削減できる。ガソリン車の7万9000㎞の走行距離、一般家庭の年間消費ベースで8・7戸分、針葉樹の61本分に相当する。
金型新聞 2022年12月10日
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