金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

30

新聞購読のお申込み

自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

自社商品を創る

山梨県で超精密微細プラスチック部品の金型製作から射出成形までを手掛けるかいわ。近年はバイスや、ウルトラ/マイクロファインバブル発生装置、工作機械向け振動削減装置など、自社商品を開発し、“メーカー”としての道を歩み出そうとしている。

かいわ 山添重幸社長

金型で培った技術を生かし、自らで商品を生み出していく方向に舵を切りました。なぜか。理由は人材育成のためです。

当社はこれまでに高難度、高精度な製品づくりに貢献してきました。そのため、現在当社に来る仕事は難しいものばかり。技術的に簡単な仕事は海外に流れ、若手技術者に任せられるような仕事が無く、経験を積ませることが難しいという課題に直面しました。

このままでは人が育たなくなってしまう。そんな危機感を抱くようになり、考えたのが、“メーカー”の道です。

当社の商品はすべて前例のないもので、技術者が何度も試行錯誤を重ねて作り上げられます。この自らで考え、改善するというプロセスが人の育成や技術力の向上につながると考えています。

その一つが超精密な保持を実現する「木組みバイス」。法隆寺回廊の木組み構造から着想を得たバイスで、ワークにもよりますが、保持精度は1μm以下を実現します。すでにさまざまな加工機メーカーで採用されています。その他にもウルトラ/マイクロファインバブル発生装置など、さまざまな商品があります。

現在は研削盤やマシニングセンタの回転振動を削減する装置や加工段取りを飛躍的に効率化するシステムなどを開発しています。今後もこうした自社商品の開発を通じて、技術者の育成につなげていきたいです。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

【特集:新春金型座談会2026】日本の金型メーカーが勝ち残るカギは何か(Part3)

井口社長が考える勝ち残るカギ 「マーケットとプロダクトをフィット」 金型の価値にマッチする市場探す 司会 では井口社長が挙げたカギ、「マーケットとプロダクトをフィットさせる」はどういう意味でしょうか? 井口 マーケティン…

豊田自動織機が金属AMのコスト増を吸収した方法とは

金型や部品の造形で金属AMを活用する際、必ず指摘されるのがコスト。装置の価格はもとより、粉末材料が高価なことに加え、設計や解析などに多くの工数が発生するため、どうしても製造コストは高くなる。一方で、高い冷却効果による生産…

電動化3種の神器に挑む
〜生産現場を訪ねて〜 ニシムラ(愛知県豊田市)

特集  次世代車で変わる駆動部品の金型(バッテリー、モータ、電子部品)  「自動車向けの金型を手掛ける企業は今後、バッテリー、モータ、電子部品、この3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」と話すのはプレ…

特集 : 金型づくりを変える6大テーマ

 次世代自動車による自動産業の変革や、少子高齢化による人手不足など金型産業を取り巻く環境は大きく変化し、新型コロナウイルスの感染拡大によって、そのスピードはさらに加速している。一方で、金型づくりを支える製造技術も進化を遂…

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -事業承継-

PART3 狭山金型製作所 社長・大場治氏に聞く「事業承継」 60歳で「引退宣言」経営以外にやりたいことを「朝活」で考え方を伝える 55歳の時に60歳で社長を退くと社内外に「引退宣言」をしました。今59歳なので、あと1年…

トピックス

関連サイト