金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

18

新聞購読のお申込み

自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

自社商品を創る

山梨県で超精密微細プラスチック部品の金型製作から射出成形までを手掛けるかいわ。近年はバイスや、ウルトラ/マイクロファインバブル発生装置、工作機械向け振動削減装置など、自社商品を開発し、“メーカー”としての道を歩み出そうとしている。

かいわ 山添重幸社長

金型で培った技術を生かし、自らで商品を生み出していく方向に舵を切りました。なぜか。理由は人材育成のためです。

当社はこれまでに高難度、高精度な製品づくりに貢献してきました。そのため、現在当社に来る仕事は難しいものばかり。技術的に簡単な仕事は海外に流れ、若手技術者に任せられるような仕事が無く、経験を積ませることが難しいという課題に直面しました。

このままでは人が育たなくなってしまう。そんな危機感を抱くようになり、考えたのが、“メーカー”の道です。

当社の商品はすべて前例のないもので、技術者が何度も試行錯誤を重ねて作り上げられます。この自らで考え、改善するというプロセスが人の育成や技術力の向上につながると考えています。

その一つが超精密な保持を実現する「木組みバイス」。法隆寺回廊の木組み構造から着想を得たバイスで、ワークにもよりますが、保持精度は1μm以下を実現します。すでにさまざまな加工機メーカーで採用されています。その他にもウルトラ/マイクロファインバブル発生装置など、さまざまな商品があります。

現在は研削盤やマシニングセンタの回転振動を削減する装置や加工段取りを飛躍的に効率化するシステムなどを開発しています。今後もこうした自社商品の開発を通じて、技術者の育成につなげていきたいです。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

【特集】型材・部品

精密、高精度、短納期 ニーズに応える 高精度や超精密、複雑形状—。日本の金型の強みはこうした高難度な部分にある。その強みは金型メーカーの設計や生産技術による部分が大きい。しかし金型は部品の集合体で、高難度な金型づくりには…

【特集】匠の技を手に入れろ

金型はこれまで、金型職人の頭の中で製品形状や金型設計を描き、経験やノウハウで調整し、製造してきた。そして金型の「匠」の技は「背中」を見て学ぶもので、習熟への時間はとても長かった。しかし近年では、工作機械やCAD/CAMと…

メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

エフアンドエム 5軸機導入コンサル【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

製造業の競争力向上を支援 自動車骨格部品のアルミ押出金型などを手掛けるエフアンドエムが3年前から始めたのが「5軸機導入コンサルティングサービス」だ。長年培った経験やノウハウを生かし、導入を検討する金型や部品メーカーに5軸…

AM普及をサポートする企業や団体に注目

受託などサービス拡充 AMに必要なデザイン設計や材料、各種3Dプリンタ積層造形装置メーカーなどで構成される「日本AM協会」は近畿経済産業局施策「kansai‐3D実用化プロジェクト」で具体的なAM活用検証を行い、成果を発…

トピックス

関連サイト