自動車のエンジン部品や排気系部品などの製造を手掛けるオーテック。6~12ミリの厚板を切削レスで完成品に近い形へ仕上げる高い冷間鍛造技術を持ち、金型も内製化している。同社は2021年からデジタル技術の活用に注力。IoTセン…
自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。
自社商品を創る
山梨県で超精密微細プラスチック部品の金型製作から射出成形までを手掛けるかいわ。近年はバイスや、ウルトラ/マイクロファインバブル発生装置、工作機械向け振動削減装置など、自社商品を開発し、“メーカー”としての道を歩み出そうとしている。

金型で培った技術を生かし、自らで商品を生み出していく方向に舵を切りました。なぜか。理由は人材育成のためです。
当社はこれまでに高難度、高精度な製品づくりに貢献してきました。そのため、現在当社に来る仕事は難しいものばかり。技術的に簡単な仕事は海外に流れ、若手技術者に任せられるような仕事が無く、経験を積ませることが難しいという課題に直面しました。
このままでは人が育たなくなってしまう。そんな危機感を抱くようになり、考えたのが、“メーカー”の道です。
当社の商品はすべて前例のないもので、技術者が何度も試行錯誤を重ねて作り上げられます。この自らで考え、改善するというプロセスが人の育成や技術力の向上につながると考えています。
その一つが超精密な保持を実現する「木組みバイス」。法隆寺回廊の木組み構造から着想を得たバイスで、ワークにもよりますが、保持精度は1μm以下を実現します。すでにさまざまな加工機メーカーで採用されています。その他にもウルトラ/マイクロファインバブル発生装置など、さまざまな商品があります。
現在は研削盤やマシニングセンタの回転振動を削減する装置や加工段取りを飛躍的に効率化するシステムなどを開発しています。今後もこうした自社商品の開発を通じて、技術者の育成につなげていきたいです。
他の特集記事は以下から
- 金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
- 金型製作の効率化を追求 笹山勝氏(ササヤマ社長)【金型を強化する】
- 低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【金型を強化する】
- 微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【派生技術を伸ばす】
- メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【成形へと拡大する】
- ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【成形へと拡大する】
- BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【自社商品を創る】
金型新聞 2023年1月10日
関連記事
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…
型青会を金型発注の窓口に 新春座談会ー第1部ー金型メーカー4社が語る 新時代の経営戦略 1月号では昨年の景況や各社の取り組みなどを報告してもらった。本号では日本金型工業会西部支部の青年部である「型青会」にスポットをあて…
誰でも高精度な研削 金型づくりで欠かせない研削加工。仕上げに近い工程のため、熟練技能を必要とする領域は多い。しかし近年、長年培った経験やノウハウを持っていなくても高精度の研削加工ができる機械や装置などが登場している。人手…
熱間材の新技術 熱間材に関連する新たな技術開発が進んでいる。ホットスタンプやダイカストのように、過酷な条件での成形が増えているためだ。材料では、高温な金型を効率よく冷やすために、高い熱伝導性や靭性を持った新素材が登場。ま…


