プレス金型から加工までを手掛ける昭芝製作所は「金型スマート棚卸・探索システム」を自社で開発し、2019年に導入。同システムは、無線自動識別(RFID)を活用し、簡単に金型の探索や棚卸ができる。 同社では約4000型を管理…
自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。
自社商品を創る
山梨県で超精密微細プラスチック部品の金型製作から射出成形までを手掛けるかいわ。近年はバイスや、ウルトラ/マイクロファインバブル発生装置、工作機械向け振動削減装置など、自社商品を開発し、“メーカー”としての道を歩み出そうとしている。

金型で培った技術を生かし、自らで商品を生み出していく方向に舵を切りました。なぜか。理由は人材育成のためです。
当社はこれまでに高難度、高精度な製品づくりに貢献してきました。そのため、現在当社に来る仕事は難しいものばかり。技術的に簡単な仕事は海外に流れ、若手技術者に任せられるような仕事が無く、経験を積ませることが難しいという課題に直面しました。
このままでは人が育たなくなってしまう。そんな危機感を抱くようになり、考えたのが、“メーカー”の道です。
当社の商品はすべて前例のないもので、技術者が何度も試行錯誤を重ねて作り上げられます。この自らで考え、改善するというプロセスが人の育成や技術力の向上につながると考えています。
その一つが超精密な保持を実現する「木組みバイス」。法隆寺回廊の木組み構造から着想を得たバイスで、ワークにもよりますが、保持精度は1μm以下を実現します。すでにさまざまな加工機メーカーで採用されています。その他にもウルトラ/マイクロファインバブル発生装置など、さまざまな商品があります。
現在は研削盤やマシニングセンタの回転振動を削減する装置や加工段取りを飛躍的に効率化するシステムなどを開発しています。今後もこうした自社商品の開発を通じて、技術者の育成につなげていきたいです。
他の特集記事は以下から
- 金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
- 金型製作の効率化を追求 笹山勝氏(ササヤマ社長)【金型を強化する】
- 低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【金型を強化する】
- 微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【派生技術を伸ばす】
- メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【成形へと拡大する】
- ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【成形へと拡大する】
- BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【自社商品を創る】
金型新聞 2023年1月10日
関連記事
スプリングバック、材料特性のばらつきに対応 ハイテン材加工に不可欠とされるCAE解析。すでに多くの金型メーカーが活用し、生産性や品質の向上につなげている。近年は自動車部材のハイテン化が進み、これまで以上に強度の高い超ハイ…
デジタル技術の進化で、相次いで登場する新技術。次世代の匠はそれらの技術を金型づくりにどのように活かしているのか。また、それら能力を習得するには、どのようなスキルや育成が必要なのか。本特集では、様々ある新技術の中でも、次世…
プログラム作成やワーク搬送 人手不足への対策だけでなく、品質向上の観点からも自動化ニーズは高まっており、それに対応する技術は進化している。また、プログラム作成やワークの搬送など自動化の領域が多様化している。 金型づくりで…
工程集約で短納期化 自動車や家電、住宅設備向け精密プラスチック金型を手掛ける三洋技研(名古屋市西区)は1987年に設立し、顧客の開発案件から金型設計・製作、トライ(30~150t)までの体制を確立。熱可塑性樹脂から熱硬化…


