金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

30

新聞購読のお申込み

低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

金型を強化する

ダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は独自の型構造や材料を採用し、成形ロット数に合わせて価格を安くする「低廉化金型」を開発した。足元では、低廉化金型などで使った部品のリサイクルから金型の廃棄までをサポートするサプライチェーンの構築も進めている。

魚岸精機工業 魚岸成光社長

低廉化金型を開発したのは、日本の金型業界を冷静に分析した結果です。電動車で部品の共通化が進み、生産数の増える部品もある。しかし、全体としては、大量生産は減り、少量生産が増えるのは確実です。

こうした変化にどう対応すべきか。共通化で増える部品は長寿命化などこれまでの金型技術を磨けばいい。少量生産でも利益を出すには「低廉化金型」は必要でした。品質を絞るので、金型の性能を担保する難しさはありますが、継続して開発に取り組んでいます。

今後は脱炭素など環境問題が加速すると「無駄を減らそう」という流れが強まるのは必至です。「少ロットだから安く」というだけでなく、サプライチェーン全体でどう無駄を減らすかが重要になると思います。

そこで販売した金型をお客様から買い取り、金型部品や材料を再利用できるネットワークの構築を進めています。まずは、最も金型で手間がかかる設計時間を減らすために、金型づくりの標準化などが欠かせません。

この仕組みが構築できれば、お客様も型保管の手間は省けるし、金型のコストダウン、部品の廃棄ロス、ひいては二酸化炭素削減にもつながります。設計から生産、廃棄までのサプライチェーン全体を一方通行ではなく、循環させることで、金型の価値を向上させていければと思います。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

【特集:技能レス5大テーマ】5.工具管理・測定

属人をシステム化へ ツール測定機や工具管理システムなどを展開するZOLLER Japanの焼きばめ装置搭載ツール測定機「redomatic」は、工具を取り付ける焼きばめ工程から工具測定までを自動かつ高精度で行い、安全で効…

キヤノンモールド 誰でも簡単に見積もりできる仕組み作り 【特集:営業ってどうする?】

AI機能搭載の図面検索システムを導入 精密プラスチック金型を手掛けるキヤノンモールドは、キヤノン生産技術部門と共同で開発したAI機能搭載の「類似図面検索システム」を2022年に導入。これを活用し、誰でも簡単に見積もり算出…

ウエブサイトやSNS活用し、見込み顧客発掘 【特集:営業ってどうする?】

金型メーカーの新規顧客の開拓方法が変わりつつある。これまでの直接訪問やテレアポといった手法から、インターネットやスマホの普及、コロナ禍で急速に進展した非対面活動の拡大によって、ウエブサイトやSNSなどを使って情報を発信し…

【特集】匠の技を手に入れろ

金型はこれまで、金型職人の頭の中で製品形状や金型設計を描き、経験やノウハウで調整し、製造してきた。そして金型の「匠」の技は「背中」を見て学ぶもので、習熟への時間はとても長かった。しかし近年では、工作機械やCAD/CAMと…

【特集:技能レス5大テーマ】2.機械制御

AI活用し、自動で最適制御 放電加工機やマシニングセンタなどによる加工は加工が進むにつれて状況が変化する。切削加工では切削工具の摩耗や欠損、びびり(加工振動)、熱変位、放電加工では電極の消耗、加工深さや板厚・ノズル離れ量…

トピックス

関連サイト