金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

27

新聞購読のお申込み

低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

金型を強化する

ダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は独自の型構造や材料を採用し、成形ロット数に合わせて価格を安くする「低廉化金型」を開発した。足元では、低廉化金型などで使った部品のリサイクルから金型の廃棄までをサポートするサプライチェーンの構築も進めている。

魚岸精機工業 魚岸成光社長

低廉化金型を開発したのは、日本の金型業界を冷静に分析した結果です。電動車で部品の共通化が進み、生産数の増える部品もある。しかし、全体としては、大量生産は減り、少量生産が増えるのは確実です。

こうした変化にどう対応すべきか。共通化で増える部品は長寿命化などこれまでの金型技術を磨けばいい。少量生産でも利益を出すには「低廉化金型」は必要でした。品質を絞るので、金型の性能を担保する難しさはありますが、継続して開発に取り組んでいます。

今後は脱炭素など環境問題が加速すると「無駄を減らそう」という流れが強まるのは必至です。「少ロットだから安く」というだけでなく、サプライチェーン全体でどう無駄を減らすかが重要になると思います。

そこで販売した金型をお客様から買い取り、金型部品や材料を再利用できるネットワークの構築を進めています。まずは、最も金型で手間がかかる設計時間を減らすために、金型づくりの標準化などが欠かせません。

この仕組みが構築できれば、お客様も型保管の手間は省けるし、金型のコストダウン、部品の廃棄ロス、ひいては二酸化炭素削減にもつながります。設計から生産、廃棄までのサプライチェーン全体を一方通行ではなく、循環させることで、金型の価値を向上させていければと思います。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

ユニオン精機 放電を切削に置換し加工時間10日→3日【特集:工法置換で生産性向上】

利益率改善、耐久性も向上 ダイカスト金型を手掛けるユニオン精機が、放電加工を切削加工に置き換えている。テーブルを傾けられる5軸の特長を活かし、深く複雑な形状を切削で加工する。電極製作や放電加工の時間を短縮し、利益改善や金…

【特集:新春金型座談会2026】日本の金型メーカーが勝ち残るカギは何か(Part1)

自動車の新車開発の延期で需要回復の先行きが見通せない。人手不足が深刻化し技能伝承がままならない。こんな不安な時代に金型メーカーが勝ち残るカギは何か。「設計力と企画力」、「マーケティングとプロダクトをフィットさせる」、「市…

フォーバンド 類似図面をAIで検索【特集:尖った技術を使いこなせ】

勘や経験など属人化を解消 モータコア用スロットパンチや研削加工などを手掛けるフォーバンド(福岡県直方市)は見積作成や図面管理業務の効率化を図るため、テクノアが展開する『AI類似図面検索』を導入。簡単に類似図面の検索や図面…

加工全体をCAE解析、開発リードタイムを短縮[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…

オーテック AI活用し、製造現場を改革【特集:デジタル活用術】

自動車のエンジン部品や排気系部品などの製造を手掛けるオーテック。6~12ミリの厚板を切削レスで完成品に近い形へ仕上げる高い冷間鍛造技術を持ち、金型も内製化している。同社は2021年からデジタル技術の活用に注力。IoTセン…

トピックス

関連サイト