金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

24

新聞購読のお申込み

電動系、車体系部品へ事業拡大【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化が金型に及ぼす影響は大きい。エンジンなどの減少が懸念される一方、軽量化ニーズでアルミの採用が期待されるなどダイカスト金型は変化を迫られている。では電動化でダイカストはどう変わっていくのか。昨秋のダイカスト展での出展製品などから変化のトレンドを探るとともに、変革期に挑むダイカスター、ダイカスト金型メーカーを取材した。

ハイサイクル、大型化に対応

アーレスティ執行役員(アーレスティダイモールド浜松社長)浅井宏一(あさい・こういち)氏
1958年生まれ、山梨県出身。81年東北大学卒業。2015年アーレスティ入社。19年アーレスティメヒカーナ社長、21年執行役員、同年アーレスティダイモールド浜松社長に就任し、現在に至る。

電動化による影響は。

ハイブリッド車(HV)であれば、既存の自動車部品にモータやバッテリー、インバータなどの電動化部品が加わるため、部品点数は増える方向にあった。それが電動車(EV)になると、部品点数が極端に減る。すでに日本の自動車メーカーも新しいエンジンの開発はほぼストップしている状況で、出てくる仕事はEV関連部品が多い。

注力していることは。

電動車向け部品の受注。また、電動系部品と車体系部品への拡大だ。電動系部品はバッテリーケースやモータハウジングなどといった部品。電動化で必要となるアルミダイカスト製品の開拓を進めている。一方、車体系部品はこれまで板金加工で製造されていたショックタワーなどの構造部品。軽量化ニーズが高まる中、ダイカストへの置き換えを提案している。

既存部品との違いは。

電動系部品はハイサイクルが求められる。1つの部品が複数の車種で使用されるため、生産数が多くなり、いかにサイクルタイムを短くするかが課題となる。これまで1個当たり60秒程度だったのが、40秒切るほどまで短くすることが要求される。そうなると、金型には短時間で冷却するための機能や真空鋳造などより生産性の高い鋳造法への対応などが求められる。

車体系部品では。

大型化だ。例えばドアだと1・5m×1mほどの大きさで、鋳造機だとシリンダブロックなどを生産していた2500~3500tクラスが必要になる。ただ、金型は熱処理や冷却で少し課題はあるものの、もともと板金加工で製造していた部品なので、難度はそこまで高くなく、現状の技術で十分対応できる。

金型製造ではどんなことに取り組んでいるか。

直彫りと5軸加工を取り入れている。リードタイムの短縮が求められる中、いかに早く加工できるかが鍵となる。直彫りは以前から取り組んでいるが、L/Dの大きい加工など技術開発を進めている。また、5軸加工では立形と横形5軸マシニングセンタを保有し、効率化を進めている。

それほどリードタイムの短縮が求められるのか。

例えば、成長著しい中国のEVメーカーからは従来の半分以下の納期を要求される。いかに早く作るかが、競争力の源泉になると考えている。

今後の戦略は。

海外市場を開拓したい。特に中国や欧米は今後、EV市場の中心になる。浜松工場と同程度の製造能力を持つ中国工場を中心に、市場の需要を上手く取り込むための取り組みを進めていく。

金型新聞 2023年3月10日

関連記事

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -取引適正化-

PART4 日本金型工業会 専務理事・中里栄氏に聞く「取引適正化」 取引ガイドラインを改定 イコールパートナーに  ユーザーの意識にも変化 現在、春先に公表予定の「金型取引ガイドライン」の改定版の策定に取り組んでいます。…

関東製作所 渡邉社長インタビュー 【特集:営業ってどうする?】

デジタルマーケティングで見込客を獲得 近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件…

伊藤製作所がテクニカルセンタを設立した理由【金型の底力】

順送り金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所は本社近くにテクニカルセンタを設立し、金型部門を集約することで、本社工場などにプレス機械を増設し、需要が高まっているプレス部品の増産体制を整える。さらに、CAEや3D形状測定機、…

【金型の底力】美濃工業 金型の内製化に着手

コストダウン、納期短縮図る 自動車用アルミダイカスト部品メーカーの美濃工業(岐阜県中津川市、0573-66-1025)は2021年3月、埼玉県熊谷市に「熊谷金型センター」を設立し、金型製造を開始した。20年10月には静岡…

この人に聞く
ツバメックス 山村福雄 社長

サンスターグループ傘下に  プレスやプラスチック金型を手掛けるツバメックス(新潟県新潟市、025-375-4945)は今年2月、オートバイ用部品などを手掛けるサンスター技研(大阪府高槻市、072・681・0351)に全株…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト