マイクロ・ナノテクスチャリングを学ぶ 日本金属プレス工業協会(高木龍一会長)は2月18日、「プレス技術とマイクロ・ナノテクスチュアリング」をテーマに、金属プレス加工技術研究会をオンラインで開催する。 金型にマイクロディン…
金型保全マン育て、11年
金型保全技術者育成講座
大分県で操業する自動車部品メーカーの技術者が金型の保全技術を学ぶ「金型保全技術者育成講座」が今年で11年を迎える。これまで多くの技術者がこの講座に参加したが、自動車産業の歴史が浅い大分では、今なお県内企業で金型保全を全て補える環境が整っていない。さらなる保全技術者の育成と金型技術の集積を図り、北部九州の自動車産業振興を目指す。
大分に金型技術集積を

「大分、そして九州の自動車産業に貢献できるように取り組んでいきます」。大分県立工科短期大学校で5月23日に開かれた今年度の開講式で、受講者を代表し渡辺製作所の梶原さんはこう決意表明した。
講座はプレス金型、射出成形金型それぞれの保全と、溶接と仕上げの技能を学ぶ計3コース。プレス金型はダイハツ九州の技術者がダイハツ九州の工場で指導。射出成形金型は金型補修の大阪精密、溶接と仕上げはプレス金型の明星金属工業の技術者が同工科短期大学校で講習する。
今年度はプレス金型で9人(7社)、射出成形金型で4人(4社)、溶接と仕上げで7人(5社)が参加。6月から約半年間、座学と、金型や補修機器を用いる実習で保全の技術を学ぶ。12月に講習での成果発表会を開き、全てのカリキュラムを終える。
この講座が始まったのは2010年。大分県に自動車産業の集積が進む一方、金型の保全技術者が不足していたことが背景にある。ダイハツ工業をはじめ部品メーカーが生産拠点を立地。しかし部品メーカーには保全の経験が少なく、修理は関西や関東の企業に依頼することが多かった。
県下で保全できる能力を持つことが必要—。そう考えた大分県や大分県立工科短期大学校、大分県自動車関連企業会は、ダイハツ九州や明星金属工業、大阪精密の協力を得て、講座をスタートした。
これまでの10年で延べ164人(140社)が受講し、保全の現場で活躍する。しかし開設当初から講座の運営に携わる工科短期大学の䑓博治校長は「いまだ充足しているとはいえない。これからもさらに多くの保全技術者を育てていきたい」と話す。保全技術者を育成することで目指すのは、大分県をはじめとする北部九州の自動車産業の活性化だ。
ダイハツ九州の泉谷卓司社長は開校式で受講者に「それぞれの会社の垣根を越え、切磋琢磨し、技能習得に励み、産業振興に寄与して欲しい」とエールを送った。
大分県立工科短期大学校 䑓博治校長に聞く
より実践に近い講座に
金型保全技術者育成講座は今後どのように展開していくのか。発足から携わる大分県立工科短期大学校の䑓博治校長に聞いた。
いつか競技会で情報交流

この10年、受講者の本業に負担が無いようカリキュラムをコンパクトにしたり、射出成形金型や溶接・仕上げのコースも増やしたり、常に改善してきました。講習ではプロの技術者が本物の金型を使って指導します。今では、大分県の自動車や部品メーカーで、この講座を修了したことが保全の技能レベルを評価する一つの物差しになっているようです。
10年で延べ140社164人の技術者が受講しました。しかし県下の部品メーカーで保全技術者が充足しているといえません。日本のものづくりのお家芸は品質管理。金型の保全はまさにその一つ。金型を使う者が自ら保全するべき。ですから保全マンの育成には責任を感じています。
今後も講習を充実させたい。例えば量産用の金型を使ってより実践に近い指導をしたり、新たな種類の金型のコースを増やしたり。進化させていきたい。いつか、保全の競技会ができたらいいな、と思っています。県下の技術者が参加し技術を競い、情報交換する。保全を通じて交流できる場をつくりたいと思っています。
金型新聞 2020年6月4日
関連記事
研削の受託加工も 研削盤メーカーの長島精工(京都府宇治市、0774-45-3611)は旧本社工場だった城陽工場(住所:京都府城陽市久世八丁74‐5)を再稼働させ、自社研削盤用部品加工やオーバーホール、工業用ミシンの組立…
2021年度事業 オンラインを有効活用、業界ワンボイスで発信 日本金型工業会(小出悟会長、小出製作所社長)は6月4日、第9回定時総会を開いた。今年度の事業計画を承認し、オンラインと対面を併用した事業を展開していくことなど…
シャットオフノズル 40年ぶりフルモデルチェンジ フィーサ(東京都大田区、03・3754・0661)はこのほど、射出成形時の「糸引き」や「タレ落ち」を防ぐ「プラゲートシャットオフノズル」を40年ぶりにフルモデルチェンジ…
日本語対応など取引しやすく プラスチック金型メーカーのムトウ(東京都江戸川区、03-3656-8651)は、中国製の低価格なモールドベースを日本品質で提供する事業に乗り出す。加工は実績のある中国の協力先に依頼し、打ち合わ…