金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

21

新聞購読のお申込み

【インタビュー】冨士ダイス 社長・久保井 恒之社長「順応力を持った企業目指す」

今年4月、ダイスなど超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03-3759-7181)の社長に就任した。自動車産業の大変革など同社を取り巻く事業環境が加速度的に変化する中、「変化に対して順応力を持った企業を目指していく」と抱負を語る。

経営効率を高め、事業領域を拡大

くぼい・つねゆき
1958年生まれ、東京都出身。81年芝浦工業大学卒業後、冨士ダイス入社。2014年取締役、18年常務、20年副社長、21年社長に就任し、現在に至る。国内の各製造拠点で生産技術などに従事した後、生産本部長や営業本部長などを務めた。趣味はサイクリング。座右の銘は「着眼大局・着手小局」。

次世代自動車への転換の加速、コロナ禍による生活様式の変化、国際秩序の不安定化などによって、同社の顧客も大きく変化している。「持続的な成長のためには、従来の考え方に固執することなく、事業領域を広げていかなければならない」と変革の重要性を強調する。

昨年には新規分野を開拓する営業部隊を新設。営業ノルマを定めず、将来を見据えた企画や提案に注力させることで、「新しい成長エンジンを創出していく」という。自動車分野ではモータや電池、磁性材など次世代自動車に関連する部品の取り込みを狙う。また、自動車以外でもマイクロ流路やガラス成形品などの医療関連を始め、様々な分野への拡販を目指す。

加えて、「国内の事業領域を広げつつ、海外事業も強化していきたい」とアジア地域を中心とした海外事業の売上拡大も視野に入れる。中国の販売拠点を増やす他、タイとインドネシアにある海外製造拠点の生産能力強化などを計画している。

また、変化に対応できる企業体質への転換にも取り組む。製造から開発、営業と幅広い部門を務めてきた自身の経験を生かし、「無駄を省き、筋肉質な企業体質に変革させていきたい」と意気込む。生産面では外部コンサルを活用した生産現場の改善や生産拠点の再編などを検討している。その他、ITを活用した営業手法の導入や業務効率の改善も進めていく考えだ。

今年策定した中期経営計画では、営業利益率を2021年度見込みの約3.5%から26年度までに12.5%以上に引き上げる目標を掲げた。経営効率のさらなる向上に挑み、2023年度までにコロナ禍前の売上高170億円、26年度までには200億円を目指す。

「当社の強みは、『粉末冶金技術』と『精密加工技術』。この2つを生かしながら、自由で柔軟な発想で顧客のニーズに対応した挑戦を続けていく」。

金型新聞 2021年10月10日

関連記事

山崎 達博さん 玉成と保全の技能を次代に教える【ひと】

鉄の板を金型でプレスすると起こる想定外の歪みや割れ。その原因を見極め、溶接と研磨で補正し、目指す品質に導いていく。解析が進化した今も、自動車のドアや骨格部品の金型は人による玉成がカギを握る。その技能を次代に教えている。 …

【金型の底力】エフアンドエム 5軸機導入をコンサル

企業間連携でフィールド広げる 自動車骨格部品などのアルミ押出金型を手掛けるエフアンドエムは今年1月、5軸加工機の導入コンサルティングサービスを始めた。長年運用してきた経験やノウハウを活かし、金型や部品メーカーのニーズにマ…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

リーダーの条件Part3
いま活躍するリーダーの心得

 新型コロナで需要が減速し、自動車の電動化で産業構造が変わるかもしれない。先の見通しにくい混沌とする時代に、リーダーはどういったことを心掛け、自らの指針としているのか。時代をリードに考えを聞いた。 伊藤製作所 伊藤 澄夫…

【鳥瞰蟻瞰】長野県南信工科短期大学校 准教授・中島 一雄氏「調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦」

技術者の教育には考えさせることが重要DXで一層必要になる 分かっているものに取り組んでいても技術者としての成長はありません。自らで調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦していくことこそが技術者の根幹であり、何よりも重要なこ…

トピックス

関連サイト