金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

28

新聞購読のお申込み

大昭和精機 超高精度加工も自動化、加工時の振れ限りなくゼロに【特集:金型づくりを自動化する】

非接触工具位置測定器「ダイナゼロビジョン」

切削加工をトータルでサポートする大昭和精機。注目は、高速回転中の工具長や工具径、振れを測定するのが「ダイナゼロビジョン」だ。「ダイナゼロチャック」と組み合わせて使用すると、動的振れを限りなく「ゼロ」に調整できる。機械にダイナゼロチャック、工具をセットし、加工回転数での振れを測定した上で、チャックにある調整ネジを締めて調整するので、加工時の振れを1μm以下と、正真正銘、限りなくゼロに近づけることができる。

工具の最外郭(輪郭)を測定

CMOSカメラを搭載し、ストロボ測定(カメラの撮像タイミングを制御することで、高速回転中の工具を疑似的にスローモーションで撮影)により、工具回転1度毎の測定が可能で、回転工具の各刃ごとのR輪郭形状測定、各切れ刃の摩耗度合・欠損も確認できる。本測定器は最近では、超硬材加工に使用が増えている電着工具の測定に使用されるケースが急増しているという。

機械主軸の伸びの測定も可能。主軸回転中の伸び量を測定し、Z軸方向変位をモニタリングすることで最大到達時間、経過時間なども確認できる。

工具表面の状態も画像で確認できるので、切れ刃の不良による加工面品位の低下などトラブルを防止することができる。

測定終了後は、自動的に結果(測定値と画像)を保存するので、日付やプログラム名などで絞り込みが可能で、追跡ができる。

ダイナゼロビジョン(左)とダイナゼロチャック(右)

機械のCNCと連動すれば、CNCからの指令により全て自動で測定することができる。超高精度加工も自動化・24時間連続加工が可能になる。

もっと手軽に、既設の機械で使いたいという要望に応えて、「ダイナゼロビジョンポータブル」も用意した。

測定機能は「ダイナゼロビジョン」と同じで、カメラヘッドを簡単に外せるので、取付ベースユニットを複数機械に設置しておけば、カメラヘッド1台を共用することができる。

「ダイナゼロチャック」は、メガマイクロチャック、焼きばめチャックを用意している。

内田安彦専務は「今まで解決できなかったお客様のニーズ・シーズを実現していきたい」と、次の開発をほのめかした。

金型しんぶん 2025年7月10日号 

関連記事

ウシオライティング 4台のカメラで金型監視

成形トラブルを防ぐ ウシオライティング(東京都中央区、03-3552-8261)はこのほど、4台のカメラで金型を監視できる「PLUS‐E(プラスイー)PE‐700」の販売を開始した。射出やダイカスト成形を高精細に監視し、…

MOLDINO 立壁・底面仕上げの修正を削減

8枚刃エンドミル MOLDINO(東京都墨田区、03-6890-5101)はこのほど、立壁/底面仕上げ用 8枚刃エンドミル「ER(S)8WB‐ATH」を発売した。金型の立壁・底面仕上げ加工の修正を削減し、加工の省人化を実…

工作機械の稼働状況を監視
双葉電子工業

IoTモニタリングシステム  双葉電子工業(千葉県茂原市、0475-24-1111)はこのほど、工作機械向けIoTモニタリングシステムを発売した。工作機械の稼働状況をクラウド上で管理し、モバイル機器から稼働実績を把握する…

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】4.AM

造形ワークの大型化 近年盛り上がりを見せるAM(アディティブマニュファクチュアリング)。ここ数年のJIMTOFやインターモールドでもAMに特化した特設展が併催されるなど、国内外での注目度が高まっており、高精度な積層造形を…

プラスチック射出成形品の離型抵抗評価金型【金型テクノラボ】

プラスチック製品を射出成形金型から突き出す際に生じる離型抵抗は、製品に変形や破損を引き起こすため、様々な抑止方法が提案されている。この抑止方法を検討する際には離型抵抗の定量的な評価が重要となる。本稿では、離型抵抗を評価す…

トピックス

関連サイト