機械の停止防ぐ DMG森精機は工作機械の加工中に発生する切りくずをAIで自動除去する「AIチップリムーバル」を開発した。自動化システムを利用するユーザーに対し、加工中に発生する切りくずによる機械停止や加工不良を防ぎ、生…
大昭和精機 超高精度加工も自動化、加工時の振れ限りなくゼロに【特集:金型づくりを自動化する】
非接触工具位置測定器「ダイナゼロビジョン」
切削加工をトータルでサポートする大昭和精機。注目は、高速回転中の工具長や工具径、振れを測定するのが「ダイナゼロビジョン」だ。「ダイナゼロチャック」と組み合わせて使用すると、動的振れを限りなく「ゼロ」に調整できる。機械にダイナゼロチャック、工具をセットし、加工回転数での振れを測定した上で、チャックにある調整ネジを締めて調整するので、加工時の振れを1μm以下と、正真正銘、限りなくゼロに近づけることができる。

CMOSカメラを搭載し、ストロボ測定(カメラの撮像タイミングを制御することで、高速回転中の工具を疑似的にスローモーションで撮影)により、工具回転1度毎の測定が可能で、回転工具の各刃ごとのR輪郭形状測定、各切れ刃の摩耗度合・欠損も確認できる。本測定器は最近では、超硬材加工に使用が増えている電着工具の測定に使用されるケースが急増しているという。
機械主軸の伸びの測定も可能。主軸回転中の伸び量を測定し、Z軸方向変位をモニタリングすることで最大到達時間、経過時間なども確認できる。
工具表面の状態も画像で確認できるので、切れ刃の不良による加工面品位の低下などトラブルを防止することができる。
測定終了後は、自動的に結果(測定値と画像)を保存するので、日付やプログラム名などで絞り込みが可能で、追跡ができる。

機械のCNCと連動すれば、CNCからの指令により全て自動で測定することができる。超高精度加工も自動化・24時間連続加工が可能になる。
もっと手軽に、既設の機械で使いたいという要望に応えて、「ダイナゼロビジョンポータブル」も用意した。
測定機能は「ダイナゼロビジョン」と同じで、カメラヘッドを簡単に外せるので、取付ベースユニットを複数機械に設置しておけば、カメラヘッド1台を共用することができる。
「ダイナゼロチャック」は、メガマイクロチャック、焼きばめチャックを用意している。
内田安彦専務は「今まで解決できなかったお客様のニーズ・シーズを実現していきたい」と、次の開発をほのめかした。
金型しんぶん 2025年7月10日号
関連記事
被削性3.5倍に 日立金属(東京都港区、03-6774-3001)はこのほど、被削性を従来品よりも約3.5倍に高めた冷間ダイス鋼「SLD‐f」を開発、8月から量産を開始した。自動車部品のハイテン化が進む中、金型の寿命向上…
小〜中物の加工に対応 三菱電機はこのほど、油加工液仕様のワイヤ放電加工機「MX900」を発売した。XY軸の移動量が300×300㎜で、モータコア向け金型などの中物から電子部品などの小物まで幅広い加工領域を1台で対応する…
小型・軽量化、作業性向上 カネテック(長野県上田市、0268-24-1111)はこのほど、新型のマグネットLED電気スタンド「ME-3KJ」を発売した。光の拡散を抑えるデザインや電球を採用。作業者の視界に光が入りにくい仕…
部品の一体化や多数個取りなどに加え、ギガキャストが登場したことで、金型の大型化は進んでいる言われる。しかし、大型化の定義が明確でなく、客観的に示すデータもない。ただ、型重量の増加=大型化とは言い切れないが、一型当りの重量…