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生産資産の金型管理こそDX ITOFROM 李 東烈社長【この人に聞く】

ショット数、温度、位置情報を把握

金型の保管問題が注目を集める中、金型の管理で頭を悩ます企業は多い。韓国のITOFROM社(アイトゥーフロム)の金型のデータ管理ソリューション「Shotline(ショットライン)」は金型に無線内蔵ショットカウンターを取り付け、金型のさまざまな情報や、移動などをリアルタイムで把握できる。「金型データを起点に生産資産を管理することが製造DX」と話す、李東烈(リドンリョル)社長に製品の特長や金型管理の改善策などを聞いた。

リドンリョル
1972年生まれ、韓国全州市出身。コンピュータ工学を専攻後、2011年からサムスン電子と共同でIoTベースの無線デジタル金型カウンターの開発を企画。17年にITOFROMを創業。その後、Shotlineを開発し、製造現場のDXの推進に取り組む。

ショットラインはどんな製品か。

あらゆる金型に取り付けることが可能な無線内蔵ショットカウンターと、データ収集するターミナル、データ管理ソフトウェアの3つで構成する。カウンターで収集したデータをターミナルからクラウド経由で、ソフトに送信し、一元管理できる。億単位のショット数や温度、サイクルタイム、金型への脱着、位置情報が把握できる。ERPやMESとの連携、PLCを介する必要がないため、安価に構築できるのが特長だ。

海外の大手での採用を伸ばしていると聞く。

韓国や欧州、インドなど大手企業での採用が増えている。そうした企業は多数の工場や協力工場で異なるシステムを採用しているため、総合的な金型の管理が難しいという課題がある。ショットラインはシステムに関係なく、金型データを共通の基準で管理できることが評価されている。

韓国の大手電子機器メーカーでは、ショット数を正確に管理し、補修時期を明確にするなど、金型寿命を3倍以上伸ばした実績がある。近年はグローバルで金型保管問題が指摘されており、引き合いが増えている。

金型の保管問題にどう貢献するか。

金型保管の問題の本質は「どの金型がどう使われているのか」、「どこに保管されているのか」が把握できていないこと。ショットラインは各種情報をリアルタイムで収集し、「どう使われているか」に加え、位置情報を把握できるので「どこにあるか」が管理できる。既存の金型への取り付けもでき、過去の実績を取り込むことが可能だ。

金型に軸を置いた管理に注力する理由は。

グローバル企業では機械設備のデータ管理から、金型など生産を行う「生産資産」のデータ管理に関心が移っている。ショットラインはまさに、金型を保管資産ではなく、生産資産への転換を支援するサービス。生産資産を管理していくことこそがDXの方向性だと思うので、より効率的に金型を管理できる環境づくりを進めたい。

日本国内での提供は。

代理店のエムエスパートナーズ(東京都港区、090・8889・1428)がサポートに対応するので、そちらに問い合わせして欲しい。

金型しんぶん2026年4月10日号

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