金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

21

新聞購読のお申込み

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開>

経営者が語る
視野広げ新規開拓

1月10日号のつづき

樫山 どんな方法で新規開拓しているんですか?
鈴木 インターネットで調べたり、展示会等に行き情報を集めたりします。ただ、プレス金型の納入先ですと顧客の幅が狭くなるので新規への挑戦が必要になってくると思います。
樫山 少し目線を変える必要があると思います。例えばデジタルシボ加工の「D3テクスチャ」というものを手掛けていますが、全く関係がなかった企業とつながるなど、横の連携が広がっていますし、視点を広げることで、会社としては良い方向に進めるのかなと考えています。基本的に金型メーカーが新規顧客を見つけることはそんなに簡単なことじゃないんですね。6年ほど前、展示会に出展した時「出すものがない」ということになりまして。これだけ良い機械があって、良い金型を作りますって言っても、お客さんに全く響かない。それがデザイン系の展示会にでると、メーカーさんでもこれまで縁が無かったデザイン部門とか開発部門と繋がりができたりします。
司会 ある意味で新しいチャネルですね。
樫山 今生き残っている金型メーカーは技術やコストなど、何かしら特長を持っています。同じ土俵で競争すると結局値段でしか入れないということになってしまいます。だから、違うアプローチを考えないとダメだと思います。値段以外のところでどうやって顧客とつながりを持つか、お客さまの目線に入る機会をどうやって増やしていくかを考えないといけないと思います。普通のアプローチで金型をPRしても、共感はされますがひっかかりは少ないと思いますね。
司会 ネットワークはどのように広げるのですか。
樫山 それこそ、天青会の勉強会や交流会なども一つの機会ではないでしょうか。
司会 金型メーカーの事業所数は、2011年の工業統計では7588社で、事業所数の減少も顕著です。
樫山 確かに外注先でもやれるところ減っている気がします。
鈴木 小規模な会社は年齢の高齢化が進み、跡継ぎがいないため廃業しているケースも多いです。今はまだ日本には金型メーカーが多数あるため、金型部品や製作用ツールが短納期で安く仕入れることができますが、金型メーカーが少なくなれば、スケールメリットがなくなり、簡単にツールが入手できなくなる危険があります。
渡辺 確かにそうですね。知らない間にかなり仕入れ先が変わっているんですよ。調べてみると、廃業したとか、縮小してできないとか、外注先がかなり変わっているんです。日本で金型を作れるところが無くなっちゃう危険もありますよ。
司会 自動車業界の変化も金型メーカーにとっては気になるところです。自動車の軽量化が進んでいますが鋳物部品は減っていませんか。
渡辺 減っていると思いますよ。昔の車の部品は全て鋳鋼で、それが鋳鉄になり、アルミになり、マグネシウムになりという流れになっています。昔やっていた、インテークマニホールドなども樹脂になっています。それが内燃機関をやっているメーカーとしては目下の課題ですね。でもまだ20~30年は無くならないと思います。10年のうちにどこに軸足を置くのかは決めておいた方が良いでしょうね。
司会 自動車の軽量化に伴い、ハイテン材も増えています。
鈴木 塑性変形が難しい材料が増えており、そのノウハウを高めているところです。ただ、難しい材料が増えれば増えるほど、日本企業が優位に立てる部分も大きくなると思います。海外では高ハイテンの金型はあまりできないですからね。
司会 CFRPもやっているんですよね。
鈴木 グループ企業内でCFRP成形用の金型を製作しています。自動車や住宅設備などユーザー・用途は色々ありますね。ただ、材料メーカーも試行錯誤しているので開発型のものが多いですね。言えない部分が多いです。

座談会出席者

小原社長_R
小原彫刻工業
代表取締役
小原基雄氏

樫山社長_R
樫山金型工業
代表取締役社長
樫山剛士氏

牧野会長 (1)_R
長津製作所
代表取締役会長
牧野俊清氏

渡辺社長_R
日型工業
代表取締役
渡辺隆範氏

鈴木常務_R
マルスン
常務取締役
鈴木將生氏

金型新聞 平成26年(2014年)2月10日号

関連記事

Sun Ai スモールスタートで自動化を促進 【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

電極・ワーク外段取り器プリセッター、1台で複数加工機に対応 昨今、国内の製造業は慢性的な人手不足に陥り、生産現場の自動化・省人化が不可欠になっている。しかし、高額な設備投資が課題となり、自動化が進んでいないのが現状だ。 …

【Breakthrough!】熱間材&コーティング

熱間材の新技術 熱間材に関連する新たな技術開発が進んでいる。ホットスタンプやダイカストのように、過酷な条件での成形が増えているためだ。材料では、高温な金型を効率よく冷やすために、高い熱伝導性や靭性を持った新素材が登場。ま…

自動車の電動化想定し、大型で複雑・高精度なプレス技術を開発[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…

-混沌の時代を切り拓く- 金型メーカーの連携

金型広がる協力の輪  金型メーカー同士や異業種、加工技術などを軸とした様々な形での連携や協業の重要性が高まっている。ユーザーの海外展開に伴うサポートや需要開拓、技術の複合化や高度化などによって、金型メーカー単独では顧客の…

IoT金型でサブスク型ビジネスモデルを構築 IBUKI【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 IoT×特許で価値創造 繁閑の波が激しい中で、いかに…

トピックス

関連サイト