金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

14

新聞購読のお申込み

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る

得意な分野で連携を
顧客の生産技術をサポート

横田悦二郎氏

日本金型工業会
学術顧問 横田悦二郎氏

 日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と話す。その強みを維持し続けるには何が必要なのか。プレス金型の強みと未来を聞いた。

―プレス型は他の金型に比べ競争力があるといわれている。
 「一足飛びで技術の習得ができず、技術の蓄積を生かせる部分が大きいからだ。タンデムを知らなければ、トランスファーも順送もできないし、熟練の研磨技術も必要で、ノウハウ習得に時間がかかる。一方で、材料も進化し、要求精度も上がるなど、プレス型に必要な技術は進歩している。だから技術蓄積のある日本メーカーが強い」。

―それを維持し、高めていくには何が必要か。
 「分業が進み、以前ほど最終ユーザーが金型の知識を持っていないことや、金型調達も含め丸投げするケースが増えている。だから、金型メーカーがユーザーとプレスメーカーの間に入って金型の知見を提供することが必要になっているケースが増えている。こうしたエンジニアリング的な能力は金型メーカーが元々持っているので提供できれば強みになる」。
 「一例だが、私が社外取締役を務めるプレスメーカーでは、海外でプレスと金型メーカーの2社を作った。これまでとは異なり、金型企業を親会社にして、営業も当選ながら、金型の知見を提供するユーザーとの窓口とした。現地に金型の知識を持った会社が少なかったことなどもあり、かなりうまく行っている」。

―ほかには必要なことは。
 「プレスに限った話ではないが連携は重要だ。今は1社で全て手掛ける時代ではない。すでに同業同士で仕事をやり取りするケースが増えている。お互いの得意不得意を補うことで、新しい仕事の獲得につながる」。

―今後プレス型メーカーが強化すべきことは。
 「設計力が圧倒的に足りない。自動車の軽量化による成形材の変化や、金型のユニット化など、プレス金型は高度化していく。抜く順番やレイアウトなど金型全体を考えられる設計力がより重要になる」。
 「何か特長を持たないと生き残れないのは確か。例えば独自性の高い技術や圧倒的な設備力などなんでもいい。今は何でもありの時代。ゼロベースで考え知恵を絞って特長を出すことが、重要になってくると思う」。

金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号

関連記事

【特集:技能レス5大テーマ】1.加工プログラムの効率化

AIで自動作成 金型の加工プログラム作成は、熟練技能者の経験や知識に依存するケースが多い。金型づくりにおける長年の経験に基づくノウハウが必要とされる。しかしそれをAI(人工知能)で効率化し、経験の浅い技術者が経験者並みの…

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応 プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。 同社は冷…

Hexagon MI AM造形品の品質保証【特集:金型づくりのAM活用最前線】

Ⅹ線CT解析ソフト活用 採用が増えつつある金属AMによる金型の入れ子部品。しかし、造形したワークの内部にできた巣の有無や造形密度などは切断するしか把握できないため、品質保証の難しさがAM入れ子部品の採用の壁の一つになって…

型から成形まで一貫生産<br>コガネイモールド 村田 隆 常務

型から成形まで一貫生産
コガネイモールド 村田 隆 常務

この人に聞く2018  今年4月に樫山金型工業から社名を変更した「コガネイモールド」。携帯電話を中心としたプラスチック金型で一時代を築いた同社だったが、スマートフォンの登場によって需要が激減。しかし、一昨年に空圧機器メー…

トピックス

関連サイト