金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

06

新聞購読のお申込み

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る

得意な分野で連携を
顧客の生産技術をサポート

横田悦二郎氏

日本金型工業会
学術顧問 横田悦二郎氏

 日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と話す。その強みを維持し続けるには何が必要なのか。プレス金型の強みと未来を聞いた。

―プレス型は他の金型に比べ競争力があるといわれている。
 「一足飛びで技術の習得ができず、技術の蓄積を生かせる部分が大きいからだ。タンデムを知らなければ、トランスファーも順送もできないし、熟練の研磨技術も必要で、ノウハウ習得に時間がかかる。一方で、材料も進化し、要求精度も上がるなど、プレス型に必要な技術は進歩している。だから技術蓄積のある日本メーカーが強い」。

―それを維持し、高めていくには何が必要か。
 「分業が進み、以前ほど最終ユーザーが金型の知識を持っていないことや、金型調達も含め丸投げするケースが増えている。だから、金型メーカーがユーザーとプレスメーカーの間に入って金型の知見を提供することが必要になっているケースが増えている。こうしたエンジニアリング的な能力は金型メーカーが元々持っているので提供できれば強みになる」。
 「一例だが、私が社外取締役を務めるプレスメーカーでは、海外でプレスと金型メーカーの2社を作った。これまでとは異なり、金型企業を親会社にして、営業も当選ながら、金型の知見を提供するユーザーとの窓口とした。現地に金型の知識を持った会社が少なかったことなどもあり、かなりうまく行っている」。

―ほかには必要なことは。
 「プレスに限った話ではないが連携は重要だ。今は1社で全て手掛ける時代ではない。すでに同業同士で仕事をやり取りするケースが増えている。お互いの得意不得意を補うことで、新しい仕事の獲得につながる」。

―今後プレス型メーカーが強化すべきことは。
 「設計力が圧倒的に足りない。自動車の軽量化による成形材の変化や、金型のユニット化など、プレス金型は高度化していく。抜く順番やレイアウトなど金型全体を考えられる設計力がより重要になる」。
 「何か特長を持たないと生き残れないのは確か。例えば独自性の高い技術や圧倒的な設備力などなんでもいい。今は何でもありの時代。ゼロベースで考え知恵を絞って特長を出すことが、重要になってくると思う」。

金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号

関連記事

【特集】リーダーの条件

 昨秋、日本金型工業会は6年ぶりに改訂した「令和時代の金型産業ビジョン」で、金型メーカーはこれまでのように単に言われたものを作るだけの「工場」から、顧客に価値提供する「企業」への変革が必要だと指摘した。これまで続けてきた…

多様化するニーズに応えるプレス加工機5選[プレス加工技術最前線]

自動車の電動化に伴い、モータやバッテリーといった電動化部品の加工需要が増加している。また、プレス加工時の状況をリアルタイムに把握して、生産性の向上や品質の安定化につなげる技術を開発する動きも進む。プレス加工機メーカー各社…

牧野フライス製作所 形彫放電加工時間を半分に【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

噴流制御と細穴加工機活用、ノージャンプ加工で「倍速放電」 牧野フライス製作所は電極内部に設けた細穴からオイルを供給し、加工液内に噴流を発生させ、スラッジを効率的に排出することで、形彫放電の加工時間を大幅に短縮する「倍速放…

迫る金型の技術革新
岐阜大学 三田村一広特任教授に聞く

 「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に代表されるように、「百年に一度の変革期」と言われる自動車業界。金型にとってもその影響は大きく、舵取り次第では将来の成長を左右しかねない。特に、金型へのインパ…

「常識にとらわれない挑戦が競争力の源泉」エフアンドエム代表取締役・市井宏行氏

事業を継続するために常識にとらわれず挑戦するそれが競争力の原動力に 変わり者とか常識外れとよく言われます。世の中であまり知られてない頃に5軸加工機を購入したり、たびたびCAD/CAMや工作機械の機種を変えたり。どうも周り…

トピックス

関連サイト