金型のユーザーニーズとして普遍的なものが短納期化。昨今は開発期間の短縮など金型生産に費やす時間が短くなっているほか、コスト削減のため工数削減(手戻り削減)が大きな課題となっている。そこで重要なのがCAEの有効活用だ。近年…
【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来
ゼロベースで知恵絞る
得意な分野で連携を
顧客の生産技術をサポート
日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と話す。その強みを維持し続けるには何が必要なのか。プレス金型の強みと未来を聞いた。
―プレス型は他の金型に比べ競争力があるといわれている。
「一足飛びで技術の習得ができず、技術の蓄積を生かせる部分が大きいからだ。タンデムを知らなければ、トランスファーも順送もできないし、熟練の研磨技術も必要で、ノウハウ習得に時間がかかる。一方で、材料も進化し、要求精度も上がるなど、プレス型に必要な技術は進歩している。だから技術蓄積のある日本メーカーが強い」。
―それを維持し、高めていくには何が必要か。
「分業が進み、以前ほど最終ユーザーが金型の知識を持っていないことや、金型調達も含め丸投げするケースが増えている。だから、金型メーカーがユーザーとプレスメーカーの間に入って金型の知見を提供することが必要になっているケースが増えている。こうしたエンジニアリング的な能力は金型メーカーが元々持っているので提供できれば強みになる」。
「一例だが、私が社外取締役を務めるプレスメーカーでは、海外でプレスと金型メーカーの2社を作った。これまでとは異なり、金型企業を親会社にして、営業も当選ながら、金型の知見を提供するユーザーとの窓口とした。現地に金型の知識を持った会社が少なかったことなどもあり、かなりうまく行っている」。
―ほかには必要なことは。
「プレスに限った話ではないが連携は重要だ。今は1社で全て手掛ける時代ではない。すでに同業同士で仕事をやり取りするケースが増えている。お互いの得意不得意を補うことで、新しい仕事の獲得につながる」。
―今後プレス型メーカーが強化すべきことは。
「設計力が圧倒的に足りない。自動車の軽量化による成形材の変化や、金型のユニット化など、プレス金型は高度化していく。抜く順番やレイアウトなど金型全体を考えられる設計力がより重要になる」。
「何か特長を持たないと生き残れないのは確か。例えば独自性の高い技術や圧倒的な設備力などなんでもいい。今は何でもありの時代。ゼロベースで考え知恵を絞って特長を出すことが、重要になってくると思う」。
金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号
関連記事
「扱い切る」ことが重要 「CAD/CAMを取り扱うのは、あくまで人。だから、CAD/CAMを扱い切れる人材から育てる必要がある」と語るのは、GENIO Solutionsの渡邉康二社長。同社は、海外メーカーのCAD/CA…
「技術等情報の管理認証制度」設立 IoT化やグローバル化などによって、情報流出のリスクが高まる昨今、製造業には技術などの情報の適切な管理が求められている。金型業界も例外ではなく、「顧客情報がしっかり管理、保護できている…
天性の細やかさ数値で語る力が必要 経済産業省の工業統計によると、2018年の日本の金型生産額は1兆4752億円。生産量こそ中国に抜かれて久しいが、新素材の登場や部品の複合化、微細化が進み、依然として日本の高度な金型技術…
AI機能搭載の図面検索システムを導入 精密プラスチック金型を手掛けるキヤノンモールドは、キヤノン生産技術部門と共同で開発したAI機能搭載の「類似図面検索システム」を2022年に導入。これを活用し、誰でも簡単に見積もり算出…

