金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

09

新聞購読のお申込み

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る

得意な分野で連携を
顧客の生産技術をサポート

横田悦二郎氏

日本金型工業会
学術顧問 横田悦二郎氏

 日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と話す。その強みを維持し続けるには何が必要なのか。プレス金型の強みと未来を聞いた。

―プレス型は他の金型に比べ競争力があるといわれている。
 「一足飛びで技術の習得ができず、技術の蓄積を生かせる部分が大きいからだ。タンデムを知らなければ、トランスファーも順送もできないし、熟練の研磨技術も必要で、ノウハウ習得に時間がかかる。一方で、材料も進化し、要求精度も上がるなど、プレス型に必要な技術は進歩している。だから技術蓄積のある日本メーカーが強い」。

―それを維持し、高めていくには何が必要か。
 「分業が進み、以前ほど最終ユーザーが金型の知識を持っていないことや、金型調達も含め丸投げするケースが増えている。だから、金型メーカーがユーザーとプレスメーカーの間に入って金型の知見を提供することが必要になっているケースが増えている。こうしたエンジニアリング的な能力は金型メーカーが元々持っているので提供できれば強みになる」。
 「一例だが、私が社外取締役を務めるプレスメーカーでは、海外でプレスと金型メーカーの2社を作った。これまでとは異なり、金型企業を親会社にして、営業も当選ながら、金型の知見を提供するユーザーとの窓口とした。現地に金型の知識を持った会社が少なかったことなどもあり、かなりうまく行っている」。

―ほかには必要なことは。
 「プレスに限った話ではないが連携は重要だ。今は1社で全て手掛ける時代ではない。すでに同業同士で仕事をやり取りするケースが増えている。お互いの得意不得意を補うことで、新しい仕事の獲得につながる」。

―今後プレス型メーカーが強化すべきことは。
 「設計力が圧倒的に足りない。自動車の軽量化による成形材の変化や、金型のユニット化など、プレス金型は高度化していく。抜く順番やレイアウトなど金型全体を考えられる設計力がより重要になる」。
 「何か特長を持たないと生き残れないのは確か。例えば独自性の高い技術や圧倒的な設備力などなんでもいい。今は何でもありの時代。ゼロベースで考え知恵を絞って特長を出すことが、重要になってくると思う」。

金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号

関連記事

この人に聞く2016<br>牧野フライス製作所 井上 真一社長

この人に聞く2016
牧野フライス製作所 井上 真一社長

要望に合わせ創造と変革  「色々と教えると新しい経営はできないだろうから、あなたには多くは教えない」―。工作機械業界のカリスマ、牧野二郎前社長がそう伝えるほど、全幅の信頼を置く。 顧客重視をより進化  入社時に「機械もソ…

KMC 社長 佐藤 声喜氏
〜鳥瞰蟻瞰〜

IOTの狙いはスピード 現場の正しい情報捉え、瞬時に改善することが重要  金型メーカーが今より儲けるためには、受注を増やすか、製造原価を下げるかの2つ。では、どうやってそれを実現するか。私は「スピード」だと考えています。…

新需要獲得に向け技術開発強化【特集:プレス加工の未来】

日本でのプレス加工の歴史が始まって約150年。日本の製造業の発展とともに、プレス加工は進化を続けてきた。近年では最大の需要先である自動車産業でEVシフトが活発化していることから、新しい需要獲得に向けた開発や事業に取り組む…

平和電機 工業用ヒーターの技術集団[金型応援隊]

射出成形機や押出成形機、各種金型に欠かせないもの、それは工業用ヒーターだ。バンドヒーターやマイクロシーズヒーター、カートリッジヒーターなど工業用ヒーターを手掛ける平和電機は長年培ってきたノウハウを活かし、顧客の課題解決に…

黒田製作所 会長 (岐阜県金型工業組合 理事長)黒田 隆氏
〜鳥瞰蟻瞰〜

若者の興味を引け 金型はものづくりの喜びがある広く知られる業界へ  若手を育てることは、金型メーカーにとって技術の伝承はもちろん、業界の活性化という点でも大切なことです。量産のものづくりがある限り、マザーツールである金型…

トピックス

関連サイト