自動車のシートや骨格部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは金型の競争力を高めるため、金型づくりのDXとベトナム子会社のデータ製作力の強化に取り組む。デジタル技術で金型づくりを効率化し、ベトナム子会社を同社グループのデー…
成形不良を出さない生産システムの確立
岐阜大学 王志剛副学長に聞く、スマート金型開発の行方
岐阜大学が2018年に3カ年の研究開発である「スマート金型開発拠点事業」を始めた。労働人口減少時代を想定し、従来にはない高効率な生産システムの確立を目指し、金型を使った量産システムの不良率ゼロを目標に掲げる。同事業は文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業に採択され、大学や企業が協働で金型やプレス機、射出成形機のスマート化を図り、AI解析も含めたIoTプラットフォームと連結させ、成形不良の予兆や自律的に成形や加工条件を調整できる画期的なシステムの開発に取り組んでいる。研究開発にはプレス成形メーカーや樹脂成形メーカー、プレス機メーカー、射出成形機メーカーほか、金型メーカーやセンサメーカー、ソフトウェアメーカーが参画し、プレス・鍛造・樹脂の3チームに分かれ、個々のテーマに沿った共同研究を行っている。あれから約1年半が経ち、研究開発の進捗を同大学の王志剛副学長に聞いた。
センシングしAI解析
研究の目的は?
成形不良を検出するようなシステム、または不良を出さない生産システムの確立が大きな目標。突発的あるいは徐々に不良品になる要因に対し、機械で自律的にコントロールする仕組みを作りたい。従来のシステムでは生産したワークを画像検査あるいは全数検査が必要だったが、自律的に不良品を取り除く新しいシステムを作る。

現在の進捗はなんでしょう?
金型のセンシングを行い必要なデータを抽出し、取得したデータをAI解析するところまできた。チームでテーマが異なるため、どういったセンシングを行っているのかは一概に言えない。一品一様といえるが、各チームともにほぼ同じ進捗状況になっている。
難しいところは?
金型をセンシングし、データを取得して分析するというプロセスだが、どんな不良現象についてセンシングするのかは分野で異なるため、プレスまたは樹脂のプロフェッショナルな人材が必要だ。課題も変わればセンシングの方法も異なる。ただセンシングしAI解析すれば答えが出ることはなさそうだ。
人とAIやりとり必要
解決には何が必要ですか?
何を測る、どう測るなどは人間の能力で、AIの分析においても人間とAIのやりとりが必要だ。年2回情報交換会を設けており、各チームの研究状況や課題などを共有し、課題解決につなげている。
不良ゼロは可能でしょうか?
ゴールはまだ先。金型をセンシングして機械が自律制御(コントロール)できるようにならないと、これまでとの違いが示せない。センシングやAIは従来システムにないもので、足したら何かを省かないと意味がない。不良を生まない、あるいは機械自身で不良をはじくことができて初めてAIを組み込む意味が出てくる。
金型しんぶん 2019年9月10日
関連記事
大型化、難削化、微細化に対応 切削工具メーカーのMOLDINO(東京都墨田区、03・6890・5101)は2月17日、ギガキャストや燃料電池の金型加工に適した新製品を販売すると発表した。今年1~2月にかけて3製品を販売開…
金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…
人手不足や事業承継問題に取り組む 「地域の工業会との交流を深め、プレス業界として、もっと発信力を高めたい」。そう話すのは、6月の総会で日本金属プレス工業協会(日金協)の会長に就任した久野忠博氏(久野金属工業社長)。プレス…
埼玉県川口市で70年以上続く老舗鋳造用金型メーカーに生まれた。幼い頃から創業者の祖父に「3代目はお前だ」と言われて育ってきた。 高校に上がる頃には自然と会社を継ぐことを意識した。大学は理工学部に入り、機械工学を学んだ。後…


