電ドラで稼働、移動しやすく ルッドリフティングジャパン(大阪市西区、06-6536-8807)は、ルッド社(ドイツ)のコードレス金型反転機「ツールムーバー」の販売を始めた。 電動ドライバーを差し込み回転させるとチェーンド…
高精度な金型加工に不可欠 ツール測定・管理
高精度に金型を加工するために不可欠なツールの測定や管理は従来、熟練技能者によって行われてきた。しかし人手不足や生産性向上を背景に、製造現場の自動化ニーズは高まっておりロボットを活用したツールプリセッタや機上測定などが登場。技術の進化によって技能レスで高品質なツール測定や管理が実現し始めている。
PART1:エヌティーツール「工具交換の一連業務を自動化」
PART2:オーエスジー「稼働率向上・不良削減」
PART3:大昭和精機「ソフト連動でIoT化」
PART4:日研工作所「QRコードでツール管理」
PART5:ハイマージャパン「段取り時間を大幅削減」
PART6:ブルーム‐ノボテスト「回転工具の可視化&解析、自動補正」
PART7:マーポス「小径工具や特殊形状にも対応」
PART8:レニショー「青色レーザーで高精度に工具計測」
PART1
エヌティーツール「工具交換の一連業務を自動化」
非接触式ツールプリセッタ「Raptor」
プリセット作業を全自動化するハイエンド機。切削加工の生産性や品質の向上には工具のセッティング精度の安定化と刃先摩耗の管理が必須だ。さらなる向上を図るにはプリセット作業の自動化・省人化、工具長や刃先画像、ツールセットなどデータの管理と活用が鍵。同製品はプリセット作業ほか、工具交換、洗浄、工具締付けの自動化するモジュールを用意し、工具交換の一連業務を自動化。IDチップなどで測定データや刃具データの管理ができ、ツール管理や刃先分析から製品品質改善に活用でき、製造業のDXを推進する。
オプションで測定後の工具長データをプログラム出力する機能を持ち、機械へ転送、起動が可能。手作業で機械への入力など無く、人為的ミスによる不良発生を未然に防ぐ。
全自動化対応モデル「Raptor」、スタンダードモデル「Eagle」、コストパフォーマンスモデル「Falcon」の3機種。仕様はスピンドルサイズ:BT50(別売アダプタで他の主軸サイズに変更可能)、測定範囲:Z軸0~500㎜、X軸:0~400㎜。
PART2
オーエスジー「稼働率向上・不良削減」
ツールプリセッタ「OZT」(独ZOLLER社製)
OZTでの外段取りは、設備稼働率の向上を実現する。面倒な位置合わせも必要なく、自動刃先認識システムにより簡単な操作で測定・プリセット・検査の3工程を現場で行える。
カメラタイプで焦点が合わせやすく、測定値のばらつきもないため生産不良を削減できる。最新の画像システムとソフトウェアにより、迅速に短時間で刃先を測定できる。
工作機械に切削工具を取り付ける前に、機外で工具長や工具径を測定することができるため、機械の稼働率を向上させ、生産性向上、不良の減少、衝突防止、コスト削減にもつながる。
また、切削工具の性能に大きく影響する取り付け時の振れも測定でき、切削工具の性能安定にも効果がある。刃先チェックカメラで刃先の欠けや摩耗を検査することもできる。任意の位置でスピンドルを固定できるので、カッタやボーリングの刃先調整も簡単。
高精度な部品を採用しているため、繰り返し精度のよい測定が可能で、長期メンテナンスが不要。
豊富なオプションでニーズに対応する。
PART3
大昭和精機「ソフト連動でIoT化」
ツールプリセッタ「STPマジス」
機外においてツーリングに装着した刃具の工具径、工具長、ノーズR等各種刃先形状を非接触測定する。
高精度カメラと演算画像処理によりX・Zの正確な測定値を自動検出し、刃振れ測定や、ノーズRや面取り角度の測定、刃先の摩耗チッピング状態も実写で明確に確認などができる。画像をデータ保存できるので、工具寿命管理にも活用できる。
操作パネル上のクランプスイッチで、スピンドルの回転を固定できるので、ボーリングヘッドの径調整やコレットチャックを仮クランプするのに便利。
製造情報の総合管理ソフトウェア「Factory Manager」、ツーリングの自動認識「Tool IC Code」との連動で、CNCへの工具補正値転送・登録は勿論の事、測定した工具の数値管理、工具の所在・寿命管理等により段取り替えの効率化、機械稼働率向上など生産現場のIoT化に貢献する。
エントリーモデル「STPエッセンティア」と多彩な測定機能を搭載した最上位機種「STPフツラ」も用意している。
PART4
日研工作所「QRコードでツール管理」
ツールプリセッタ+工具管理システム
骨格となるベース部、およびコラム部に天然グラナイトを全機種に採用し、スケールを直付けした独創的な超精密仕様。工具径φ600㎜、工具長800㎜の最大測定範囲を誇るフロアスタンディング型から、コンパクトなテーブルトップ型まで豊富なラインナップを誇る。
CMOSカメラと液晶モニタによる非接触測定方式を全機種で採用。刃先を自動検知し、角度・ノーズRの測定もタッチパネルを使って誰でも簡単に行うことができる。BTやHSKなど、異なるテーパ規格の工具も、主軸ユニットの交換だけで素早く測定できる主軸交換方式を採用している。
E346V+以上の機種にはポストプロセッサ機能も標準搭載し、補正値変換プログラムをUSBやネットワークを使って工作機械のNCへツールレイアウト単位で転送できる。
工具管理システム「eTOP」にもオプション対応可能で、QRコードを利用して簡単にツールIDを管理でき、作業者の入力ミス等を起因とした不良・事故も未然に防止する。
PART5
ハイマージャパン「段取り時間を大幅削減」
MICROSET UNOシリーズ
段取り改善は製造コスト低減の重要事項で、工具折損、ワークの加工不良の発生、時間を要する機内測定など生産性を下げる要因は多数存在する。
同製品は加工精度と生産性を高めるツールプリセッタで、段取時間を最大70%削減。測定ポイントを正確に素早くとらえる無段階調整ダイヤル機能やタッチ&リリース操作機能で簡単操作など分かりやすいモニターと優れた操作性を備える。装置の軸構造はFEM解析で最適化した熱変位に強い構造で、同じく熱変位に強い材質部品を組み合わせ、高い繰り返し精度(±2μm)を実現した。
効率の良い外段取りかつ複数の既存工作機械にも併用でき、効率アップに貢献。また、工作機械を測定時間に費やすことなく、実加工専用とすることで生産性向上に寄与。これまで経験を必要とした刃先摩耗チェックなどが不要で、人的ミスをなくし、測定の時間と精度を大幅に改善できる。
ラインアップはエントリタイプ、手動タイプ、セミオートマチックタイプに加え、最高の利便性を追求した全自動タイプの4機種を用意している。
PART6
ブルーム‐ノボテスト「回転工具の可視化&解析、自動補正」
工具測定用レーザシステム 「LC50‐DIGILOG」
加工機上で回転工具の刃先を非接触自動測定する機上測定ユニット。アナログスキャニングとデジタル測定技術を融合した独自の「DIGILOG(デジログ)」テクノロジーを応用し、工作機内に於ける測定プロセスの安定性や測定精度の向上、測定時間の短縮(従来比最大で60%)を実現。
回転工具の工具長や径の測定、磨耗やチッピング検知に加え、工具先端の振れ量を測定可能。また、ドロップストップ機能やデジログキャリブレーション等により、機内環境での測定信頼性を向上している。
工具測定のインライン自動化による測定工数の削減、測定結果のデジタルデータ管理の実現が可能で、測定結果に基づく切削位置の自動補正、また許容値設定による不良工具のアラーム通知など、加工不良を抑制。
専用アプリ「LC‐VISION」活用による、ボールエンドミル形状の可視化や振れ量の管理、多刃工具の各刃の高さ測定等、回転工具の多角的な測定&解析を可能にした。5軸機での良品率向上、ワークの面品位向上などに貢献する。
PART7
マーポス「小径工具や特殊形状にも対応」
CCDカメラ搭載非接触工具測定装置「VTS」
精密加工分野において必要とされる超高精度の計測を行う機上ツールセッター。
従来のレーザーやタッチプローブなどのツールセッターが計測地点での「点」計測に対し、「VTS」はカメラ画角内の「面」計測のため、安定した超高精度計測を実現する。これまでのツールセッターでは難しかった小径工具や特殊形状の工具を安定して計測できる。
内蔵型CCDカメラが様々な角位置で工具の画像を取得し、1mm未満の小径工具でもその長さと径の値を高い精度で計測する。工具長、工具径、刃先R、刃先振れ、回転中心位置を主軸が回転した状態で計測することで、実加工条件での状態を把握できる。
導入することで、工具計測の自動化による稼働の無人化や24時間稼働が実現できる他、工具替えによる段差の発生を無くし、加工時間の大幅な短縮なども図ることができる。小径工具や微細加工向けの「VTS-SF45」と、旋削工具や5軸機などにも対応する「VTS-WF85」の2タイプをラインアップする。
PART8
レニショー「青色レーザーで高精度に工具計測」
NC4 + Blueレーザー式工具計測システム
青色レーザーを採用したことで、より高い精度で工具を計測できる工具計測システム。従来品と完全な互換性を持ち、置き換えもしやすいほか、高精度な工具計測が簡単にできるソフトウエアもそろえた。
「より速く、より正確な測定」を望むニーズに応えるため、業界で初めて青色レーザーを採用した。青色レーザーは一般的に使われる赤色レーザーと比べて波長が短い。焦点を絞り小さな点でより強い光エネルギーを集中させることができるので、回折の影響がなく、最適なレーザービームの形状が得られる。
形状を鮮明に映し出せるので、小径工具の径や長さをより高い精度で計測できる。最小ではΦ0.03㎜の工具の計測や折損検出に対応する。
用途に合わせて、レーザーの受光部と送光部が分離した「セパレートシステム」と、一体になった「フィックスドシステム」の2タイプをラインアップした。
主なターゲットは微細加工機や5軸加工機を多用するユーザー。特に、小径の使用頻度が高い金型メーカーに適している。
金型新聞 2022年3月10日
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