特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…
メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。
成形へと拡大する
ベアリングリテーナーや自動車部品用プラスチック金型を製作する福井精機工業は表面から少量の潤滑油が染み出す給油部品「キッブス」を開発。50%以上が油で構成され、持続的な潤滑性能で機械要素部品などメンテナンスフリーを実現。ロボットや自動化設備など幅広い分野で注目されている。

顧客からペースト状の潤滑材料を機械部品として成形できないかと相談され、開発に取り組んだ。試行錯誤の結果、成形することができ、さらに技術開発を進めてきた。
「キッブス」は超高分子量PE(UHMWPE)に潤滑油を混合させ、プラスチックに近い成形ができる固形潤滑材。50%は油で構成されており、給油するための部品として使用することができるため、固形油と言ったところだろう。独自で材料を混合するため、工業用から食品用など様々な潤滑油を活用できる。
超高分子量PEは流動性がなく、従来の射出成形では成形できないため、成形するには特殊な材料、潤滑油の知識、配合ノウハウ、金型構造、成形時の温度コントロールなどノウハウが必要になる。この技術を確立したことで、オイル供給を必要とする部品のメンテナンスフリーを実現し、人手不足や自動化に貢献できる。今後は機械要素やロボット部品への活用、狭所、危険な場所の安全対策につながると期待している。
当社のミッションは、新しい『価値』を追求し、すべての人に『笑顔』を提供すること。キッブスは義足や義手など障害者向けの器具や人工関節にも貢献できる。社会の課題をものづくりの技術で解決できれば、多くの人が笑顔になり、我々も嬉しい。それをベースに、すべての人を笑顔にする会社を目指したい。
他の特集記事は以下から
- 金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
- 金型製作の効率化を追求 笹山勝氏(ササヤマ社長)【金型を強化する】
- 低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【金型を強化する】
- 微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【派生技術を伸ばす】
- ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【成形へと拡大する】
- 自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【自社商品を創る】
- BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【自社商品を創る】
金型新聞 2023年1月10日
関連記事
金型や部品の造形で金属AMを活用する際、必ず指摘されるのがコスト。装置の価格はもとより、粉末材料が高価なことに加え、設計や解析などに多くの工数が発生するため、どうしても製造コストは高くなる。一方で、高い冷却効果による生産…
自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…
多様な活用方法や機器の進化 金属AMによる金型づくりが徐々に広がりを見せており、活用事例が増えている。金属AMの活用は、従来の金型づくりに付加価値をつけ、他社との差別化を図るための手段として有効。今後ギガキャストで、金属…
大型金型の需要に対応 プラスチック金型を手掛ける黒田製作所(岐阜県羽島郡岐南町、058・247・7423)は自動車向けの大型プラスチック金型に対応するため、本社そばに新工場を立ち上げ、UBEマシナリーの大型射出成形機「3…


