自社商品の生産性アップ 大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。…
BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。
自社商品を創る
自動車シート用のウレタン発泡用金型の設計、製造を手掛ける東亜成型は、自社開発のバーベキュー用の料理器具の販売も行っている。今後はBtoC向け開拓にも注力するという浦竹社長に、新ビジネスに挑むために必要なことを聞いた。

金型メーカーはどこもそうだと思いますが、当社も受注の波が激しく、不況時には一気に暇になってしまいます。そんな中で売上の分散を図るため、不況時でも自社の努力で売れるBtoC向けの自社製品の開発は、以前から考えていました。
試行錯誤の上完成したのが、バーベキュー用の料理器具「グリルQ」です。「たこ焼きを作りながらお好み焼きも焼きたい」というアイデアから始まり、販売に至りました。
自社製品を売り出す際に大切なのは、自社でできることとできないことの見極めだと思います。例えば製品のPR。自社だけ行っては効果が薄いと考え、広報用のWEBサイト作りはブランディング業社に依頼し、費用をかけて専門家に任せました。一方、広報サイトの更新は自社で行っています。自社でできることは自社で、無理なものは外部に任せる。それだけで、無駄にお金をかけたり本業をおろそかにしたりせず、効率的な製品開発や広報活動ができます。
今後は、一般顧客向けの部品製造も考えています。例えばバイクのカスタム部品。車種によっては、装備を諦めるしか自作するしかない。そういった「欲しいけど存在しない」商品は、BtoCビジネスの中に埋もれているはず。それらの需要に対して上手く受注システムを整えれば、さらに多様な市場に挑むことができると考えています。
他の特集記事は以下から
- 金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】
- 金型製作の効率化を追求 笹山勝氏(ササヤマ社長)【金型を強化する】
- 低廉化金型を開発 魚岸成光氏(魚岸精機工業社長)【金型を強化する】
- 微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【派生技術を伸ばす】
- メンテナンスに革命を 清水一蔵氏(福井精機工業社長)【成形へと拡大する】
- ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【成形へと拡大する】
- 自ら商品を生み出す道に 山添重幸氏(かいわ社長)【自社商品を創る】
金型新聞 2023年1月10日
関連記事
自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…
金型業界含め国内製造業は慢性的な人手不足を抱え、加工や測定工程で自動化を図ることが大きな課題となっている。そのため、これまで複数の機械で加工していた加工工程を1台の機械に集約し、段取り工程の削減や短縮、さらに、工程間の搬…
金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…
DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 CAEの活用、データ作成の効率化 自動車用プレス金型…


