金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

31

新聞購読のお申込み

【検証】変わる金型基金 新たな船出
解散後、新制度に移行

 今年11月をめどにいったん解散し、新制度への移行を進める日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘会長)。なぜ制度移行なのか。加入者にどんな影響があるのか。基金の存在意義や、制度移行を連載企画で検証する。1回目は年金制度の仕組みや課題についてまとめた。

変わる金型基金 新制度

 年金制度の体系は3階建てといわれる(表参照)。1階は全国民が加入する国民年金。2階は事業者と従業員が折半で支払う厚生年金保険。3階には中小企業が任意で加入する「厚生年金基金」や、大企業などが加入し、給付額が一定で不足すれば企業が補填する「確定給付型年金」、個人が運営し元本割れのリスクもある「確定拠出型年金」などがある。いずれにせよ、3階まである企業や個人のほうが、退職金を年金化した部分を含めると、多くの年金を受給することができる。

 今回制度移行を進める金型基金は3階部分のひとつ。一般に厚生年金基金の加入者は中小企業が多く、基金だけでは大きな運用益が見込めないことなどから、2階部分の厚生年金から一部の金額を預かって(代行部分)運用し、その部分の給付も代行してきた。しかし、リーマンショックなどで、代行部分の給付すべき資産を確保できない基金が続出(代行割れ)した。

 これを重くみた政府は基金解散を前提に2013年に基金制度の見直しに関する法律を改正。代行割れしている基金は自主解散、代行割れしていない基金でも、代行返上しほかの制度への移行を促してきた。これが資産余力のない年金基金の多くが解散に踏み切る契機になり、13年には560あった基金が16年には256まで急減した。

 金型基金はどうか。代行部分に対する積み立てが1.08倍(17年3月予測)で「1.23倍で運用可能なレベル」(荒木健太郎常務理事)なほど、健全な基金。しかし、国が求める1.5倍に満たないため「解散の選択肢もあった」(荒木常務理事)という。だが「会員から今の範囲内で運用はできないか」という意見も多く、移行の方針を固めた。

 では、いったん解散し、制度移行するとどんな利点があり、何が変わるのか。次号では、金型基金の課題や、移行する理由などについてまとめる。

金型新聞 平成30年(2018年)1月10日号

関連記事

自動車メーカーに聞く ギガキャストに取り組む理由 トヨタ自動車門野英彦氏【特集:ギガキャストの現在地】

トヨタ自動車は昨年、2026年に投入を予定している次世代EVの生産工場にギガキャストを取り入れると発表した。従来数十点の板金部品で作っていたものをアルミダイカストで一体成形することで、部品点数を大幅に削減し、生産工程を半…

BtoC向け開拓に力 浦竹重行氏(東亜成型社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

ソディック 情報伝達の自動化、ハードつなげる提案も【特集:金型づくりを自動化する】

自動化の仕組みづくりを支援 ソディックはハードだけでなく、工程間のさまざまなデータをつなぐ自動化の仕組みづくりを提案している。その肝となるのが、加工や計測プロググラムなどの「情報伝達を自動化する」(プロダクションイノベー…

【特集】匠の技を手に入れろ

金型はこれまで、金型職人の頭の中で製品形状や金型設計を描き、経験やノウハウで調整し、製造してきた。そして金型の「匠」の技は「背中」を見て学ぶもので、習熟への時間はとても長かった。しかし近年では、工作機械やCAD/CAMと…

藤木孝弘専務に聞く 新中期計画のもう一つの目的 【ササヤマ challenge!Next50

「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。 金型の魅力をもっと社員に知って欲しい SAIMS247のもう一つの…

トピックス

関連サイト