金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

24

新聞購読のお申込み

ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

成形へと拡大する

ワークスは昨年、世界最小クラスのガラス製両面マイクロレンズアレイ(MLA)の金型を開発した。研究を重ね技術を確立し、2025年にもMLAを量産し次世代自動車や半導体製造装置などの光学レンズの需要を開拓する。

ワークス 三重野計滋社長

MLAの金型は、円柱状の上面の縦13×横13㎜のスペースに直径0・1㎜の凹んだ球面が1万個並ぶ。これを向かい合わせにしてガラス素材を挟みMLAを成形する。従来工法(ドライエッチング)と比べて格段に薄く、大量生産できる。

需要を見込んでいるのが自動車の自動運転や半導体露光装置、プロジェクタなどに用いる光学レンズ。レンズを薄くすることができれば製品を小型化でき、量産効果でコストも下げられる。おそらく数年後には400億円の需要が生まれるとみている。

最先端の金型と量産に取り組むのは中国や台湾などの追従を許さないため。かつて日本は技術力や生産力などあらゆる分野で世界一だった。しかし中国や台湾は日本の生産技術を取り入れ、いまや量や価格では日本を上回る。

日本の金型が勝ち残るにはどうすればいいか。それは、①「真似できない最先端の技術を追求する」ことと、②「金型や成形、組立などによる複合技術を発展させる」ことだと感じている。MLAの量産はまさにこの2つを融合したものだ。

短期の利益を重視する中国と比べ、日本は実用化に結び付きにくい技術開発にも熱心に取り組む。これは最先端の技術追求にとてもマッチする気質。その強みを生かし、素材や成形、組立など様々な企業と連携すれば日本はこれからも成長できる。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開003>

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開003>

経営者が語る 精密加工や新分野に挑戦 2月10日号のつづき 司会 次年度には設備投資の一括償却が可能になるという話も出ていますが、投資計画に変更などありますか。 鈴木 毎年の積み重ねが重要ですからね。日本でどのようにもの…

【座談会】金型メーカー・自動車メーカーが語る
次世代自動車の登場で金型づくりはどう変わるのか
ー2030年の金型業界ー 第2部

〝知能〟と〝智能〟を区別 金型メーカーなりの自動化   前号では、「次世代自動車の登場で金型がどう変わるか―2030年の金型業界―」について、現状の課題や見通し、考え方などいろいろな意見が出された。2回目の今月号は、そう…

シミュレーションソフト【Breakthrough!】

金型のユーザーニーズとして普遍的なものが短納期化。昨今は開発期間の短縮など金型生産に費やす時間が短くなっているほか、コスト削減のため工数削減(手戻り削減)が大きな課題となっている。そこで重要なのがCAEの有効活用だ。近年…

ハイテン加工のカギはCAE【特集:プレス加工最前線】

スプリングバック、材料特性のばらつきに対応 ハイテン材加工に不可欠とされるCAE解析。すでに多くの金型メーカーが活用し、生産性や品質の向上につなげている。近年は自動車部材のハイテン化が進み、これまで以上に強度の高い超ハイ…

【特集】最新技術の使いこなし術

工作機械や工具、ソフトウェアなど金型づくりを支えるツールの進歩はすさまじい。こうしたツールの進化によって、加工精度は飛躍的に向上した。加工速度や微細化、自動化、計測技術なども数年前とは比較にならないほど性能や機能が進化し…

トピックス

関連サイト