金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

28

新聞購読のお申込み

ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

成形へと拡大する

ワークスは昨年、世界最小クラスのガラス製両面マイクロレンズアレイ(MLA)の金型を開発した。研究を重ね技術を確立し、2025年にもMLAを量産し次世代自動車や半導体製造装置などの光学レンズの需要を開拓する。

ワークス 三重野計滋社長

MLAの金型は、円柱状の上面の縦13×横13㎜のスペースに直径0・1㎜の凹んだ球面が1万個並ぶ。これを向かい合わせにしてガラス素材を挟みMLAを成形する。従来工法(ドライエッチング)と比べて格段に薄く、大量生産できる。

需要を見込んでいるのが自動車の自動運転や半導体露光装置、プロジェクタなどに用いる光学レンズ。レンズを薄くすることができれば製品を小型化でき、量産効果でコストも下げられる。おそらく数年後には400億円の需要が生まれるとみている。

最先端の金型と量産に取り組むのは中国や台湾などの追従を許さないため。かつて日本は技術力や生産力などあらゆる分野で世界一だった。しかし中国や台湾は日本の生産技術を取り入れ、いまや量や価格では日本を上回る。

日本の金型が勝ち残るにはどうすればいいか。それは、①「真似できない最先端の技術を追求する」ことと、②「金型や成形、組立などによる複合技術を発展させる」ことだと感じている。MLAの量産はまさにこの2つを融合したものだ。

短期の利益を重視する中国と比べ、日本は実用化に結び付きにくい技術開発にも熱心に取り組む。これは最先端の技術追求にとてもマッチする気質。その強みを生かし、素材や成形、組立など様々な企業と連携すれば日本はこれからも成長できる。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

EV化が進む中、金型メーカーはどう動くか?【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化はダイカスト業界に大きな変化をもたらし始めている。バッテリーEVが増えるとエンジン関連の金型の減少は必至だ。一方で、バッテリーケースのアルミ化や、シャシーなどを一体造形する「メガキャスト」などで金型の大型化…

日本鍛圧機械工業会 長利啓正会長(コマツ産機社長)インタビュー【特集:プレス加工の未来】

電動車による部品の変化や脱炭素対応などさまざまな変化に迫られている金型業界。見てきたように、こうした変化に対応すべく、プレス金型の製造現場ではいろんな取り組みを進めている。一方で、環境変化によってプレス機のニーズは変わる…

次世代の匠の技を考える 記者の目

PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァースPART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエムPART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成PART5:「現代の名…

金型メーカーに「働き方改革」は実現できるのか

課題多き働き方改革 働き方改革関連法案の施行から4年。金型業界でも労働時間短縮や生産性の向上など、働き方改革は進んでいるのか。現状を調べるため、本紙ではアンケートを実施した。調査からは、改革には前向きに取り組んでいるもの…

金型に押し寄せるCASE

 100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化…

トピックス

関連サイト