金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

21

新聞購読のお申込み

ガラス両面MLAを量産 三重野計滋氏(ワークス社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められている。既存の事業を強化するのか、派生技術を伸ばすのか、あるいは新事業に手を伸ばすのか。さまざまな戦略が考えられる。金型メーカー経営者にインタビューし、次の10年を勝ち残るための戦略について聞いた。

成形へと拡大する

ワークスは昨年、世界最小クラスのガラス製両面マイクロレンズアレイ(MLA)の金型を開発した。研究を重ね技術を確立し、2025年にもMLAを量産し次世代自動車や半導体製造装置などの光学レンズの需要を開拓する。

ワークス 三重野計滋社長

MLAの金型は、円柱状の上面の縦13×横13㎜のスペースに直径0・1㎜の凹んだ球面が1万個並ぶ。これを向かい合わせにしてガラス素材を挟みMLAを成形する。従来工法(ドライエッチング)と比べて格段に薄く、大量生産できる。

需要を見込んでいるのが自動車の自動運転や半導体露光装置、プロジェクタなどに用いる光学レンズ。レンズを薄くすることができれば製品を小型化でき、量産効果でコストも下げられる。おそらく数年後には400億円の需要が生まれるとみている。

最先端の金型と量産に取り組むのは中国や台湾などの追従を許さないため。かつて日本は技術力や生産力などあらゆる分野で世界一だった。しかし中国や台湾は日本の生産技術を取り入れ、いまや量や価格では日本を上回る。

日本の金型が勝ち残るにはどうすればいいか。それは、①「真似できない最先端の技術を追求する」ことと、②「金型や成形、組立などによる複合技術を発展させる」ことだと感じている。MLAの量産はまさにこの2つを融合したものだ。

短期の利益を重視する中国と比べ、日本は実用化に結び付きにくい技術開発にも熱心に取り組む。これは最先端の技術追求にとてもマッチする気質。その強みを生かし、素材や成形、組立など様々な企業と連携すれば日本はこれからも成長できる。

他の特集記事は以下から

金型新聞 2023年1月10日

関連記事

リーダーの条件[part1] 経営のカリスマが心掛けていること

サイベックコーポレーション 顧問 平林 健吾氏  1944年生まれ、長野県出身。工作機械メーカー、プレス部品メーカーを経て、73年に信友工業(現サイベックコーポレーション)を設立。2009年顧問。18年旭日単光章を受賞。…

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応 プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。 同社は冷…

三菱電機 誰でも簡単に高品位加工【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

ワイヤ放電加工機「MGシリーズ」、加工条件設定にAI活用 ワーク形状によって微妙な加工条件の設定が必要になるため、技能者によって加工レベルに差が出るワイヤ放電加工。三菱電機が13年ぶりに刷新したワイヤ放電加工機「MGシリ…

【特集:技能レス5大テーマ】4.磨きレス

新被膜やPCDでサブミクロン 仕上げや組付けなど金型の品質を決める領域には人の手は欠かせない。磨き工程もその一つ。しかし、磨きには時間や人手がかかることから、できるだけ機械加工で追い込み、磨きを減らしたいという声は多い。…

「金属3Dプリンタの匠」三光合成

デジタル技術の進化で、相次いで登場する新技術。次世代の匠はそれらの技術を金型づくりにどのように活かしているのか。また、それら能力を習得するには、どのようなスキルや育成が必要なのか。本特集では、様々ある新技術の中でも、次世…

トピックス

関連サイト