金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

13

新聞購読のお申込み

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –中国–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州それぞれの国・地域に進出する5社を取材した。

長津製作所 牧野俊清会長

  • 本  社:神奈川県川崎市中原区中丸子57
  • 電  話:044-433-8371
  • 代表者:牧野俊清会長
  • 創  業:1950年
  • 従業員:650人(海外含む)
  • 海外拠点:中国、フィリピンなど3拠点
  • 事業内容: 精密樹脂金型の設計製作、部品製造

中国は良きライバル

 当社が中国に進出したのは1994年。メイン顧客の光学系ユーザーの多くが中国に出始めたので、補修から始めました。営業目的で型づくりは全く考えていなかったですね。金型は人や設備が必要ですし、技術流出の懸念もありましたから。金型が必要な時は協力先(現合弁先の金安電触)から調達していました。

 01年に金安電触と深圳(18年東莞に移転)に合弁で工場を設立し、成形を始めました。この時も鏡筒など難しい金型は日本で作り、それ以外の金型は合弁先に依頼していました。当時中国の金型の全体評価は低かったですが、企業によって既に技術は高かったように思います。06年に業容拡大で無錫に工場を作った際に、金型の内製を始めました。合弁先から人材の応援もあったからです。

 その後の中国の成長は誰もが知るところで、金型生産量世界一になりました。合弁先の成長がそれを物語っています。25年前は20人程度でしたが、グループで1000人を超える規模になったこともあります。

 しかし、今の中国は変化点にあるように思います。人件費の高騰に加え、コロナの影響もあって、チャイナ+1の流れが強まっているからです。当社も17年にフィリピンに成形工場を設けました。

内製高め、車部品強化

 もう一つは構造変化でしょうか。樹脂型の多くの企業が自動車業界に向いているように思います。多くの型メーカーが展示会では自動車向けをPRし、家電のハイアールもバンパーの金型を展示しているほど。当社も中国事業全体の売上高は25億円ですが、自動車向けを高めたいと考えています。現地での金型供給は、合弁先より内製に変換しつつあります。

 中国に対する見方は色々あると思いますが、金型づくりでは「良きライバル」と考えなければいけないと思っています。設備や自動化など日本より進んでいる部分は多い。切磋琢磨し成長していければと思います。

※他4ヵ国は下記リンクから。

金型新聞 2020年7月1日

関連記事

試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

自社商品の生産性アップ 大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。…

【新春特別インタビュー②】大垣精工会長・上田 勝弘氏「他社よりも一歩先へ、好循環生まれる体制を」

勝負は中身だ 他社よりも一歩先へ 好循環生まれる体制を 〜技術開発の必要性〜  1939年生まれ、滋賀県出身。立命館大学法学部卒、61年に大垣市内にある会社に就職したのち、68年に同社(大垣精工)を創業。超精密プレス金型…

ケイ・エス・エム 金型技術生かし、医療やロボに参入【金型の底力】

徹底して顧客の声を聞く 高温の射出成形用金型を得意とするケイ・エス・エムは医療機器分野への参入やロボット販売など事業の多角化を進めている。新事業の立ち上げで苦労する企業が多い中、成功しているのは「金型技術をコアにものづく…

「計測、CAD/CAM、CAE技術生かし、DX化を推進」Hexagon先端技術開発室・立石源治室長【この人に聞く】

Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション…

【金型応援隊】ミサト技研 熟練した技術と知見による磨き

高品質な鏡面磨き ミサト技研はプラスチック金型やダイカスト金型、機械部品などの鏡面磨きを手掛けている。「納期に遅れず、顧客が希望する品質に応えることができる」(牧野聖司社長)と強調するように、熟練した技術と知見による高品…

トピックス

関連サイト